ゼリー飲料市場で女性層の開拓に商機を見いだす動きが強まっている。

ビタミンやクエン酸などを配合して健康・美容ニーズに対応しつつ、小腹も満たせるものとして支持を集めているとみられる。


トップブランドの「inゼリー」(森永製菓)は今期(3月期)、子どもとともに女性層へのアプローチを強化していく方針を鮮明にした。

女性層に向けては、「inゼリー」ブランドで女性人気の高い「フルーツ食感」シリーズの「もも」「巨峰」の2種類を育成し、認知拡大と新規ユーザーの獲得に取り組む。

同シリーズは、独自のゲル化技術によって、まるで本物のフルーツを食べているかのような食感を表現したゼリー飲料。2021年3月の発売以降、20代の女性を中心におやつや間食として飲まれて支持を拡大。「食感に加えて、食物繊維やマルチビタミンを摂れる点も高く評価されており、前期(3月期)は2品合計で年間売上高20億円規模に成長した」(森永製菓・寺内理恵氏)との手応えを得る。

この流れを加速させるべく、認知拡大策として新たにタレントを起用した新TVCMを6月から放映する。
清涼飲料水を包含するブランド力を傘にゼリー飲料を伸ばしているのはポッカサッポロフード&ビバレッジとハウスウェルネスフーズ。

「キレートレモン」ブランド(ポッカサッポロ)では、ポジティブに生きたいと考えている女性をメーンターゲットに定め“心・美・体の輝きをサポートするレモンの価値体感飲料”としてライトユーザーに価値を伝えている。

この中で「キレートレモンクエン酸2700ゼリー」は、クエン酸の働きによる疲労感軽減のヘルスクレームや腹持ちの良さから人気を博し好調に推移。おやつや食事代替として飲用が広がっているという。

若年女性をメーンターゲットに定める「C1000」(ハウス)からは、ビタミンC1000㎎とクエン酸5000㎎を配合しブランド史上最高の酸っぱさとクエン酸量の「ビタミンゼリークエン酸5000」を3月10日に発売開始し同社ゼリー飲料の成長に貢献。

「ビタミンゼリークエン酸5000」発売後約1か月の3月末までの間、既存の「ビタミンゼリーレモン」と合わせて前年同期比2倍以上の売上を記録した。


(6月13日付本紙に「スポーツ・機能系飲料特集」)
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