三菱食品と日清食品は、食品流通のサプライチェーン効率化を目指し「商流」と「物流」のデータ連携による協業を本格始動する。協業の主な取り組みは次の3点。


(1)両社が保有する発注計画や物流実績などサプライチェーン関連データを連携し、受発注や需給バランス調整業務の効率化と自動化を推進。
(2)両社の倉庫や配送トラックなど物流アセットの相互活用、最適化に向けた検討。
(3)製造・卸売・小売を横断したリアルタイムにデータ連携する基盤構築に向けた検討。

 近年、食品流通業界では需要変動の拡大や物流現場の負荷増大に加え、エネルギー価格の高騰を背景とした輸配送コストの上昇が課題となっており、各社がそれぞれの効率を優先する従来の運用だけではその効果は限定的となり、サプライチェーン全体の最適化が難しくなりつつある。そのため、企業が垣根を越えてデータ連携することで、需給バランスや物流効率をサプライチェーン全体で最適化する取り組みの重要性が高まっている。

 こうした課題認識のもと、三菱食品と日清食品は「商流」と「物流」のデータ連携を通じて、需給バランスと物流効率の最適化に向けた3つの実証的な取り組みを2025年10月から実施し、定量的な成果を確認した。
 この成果を踏まえ、両社の協業を本格的に始動し、業務効率の向上と物流負荷の低減を図るとともに、食品流通業界全体の生産性向上ならびに持続可能なサプライチェーンの構築を目指す。

 2025年度の主な実証成果では▽三菱食品が保有する特売発注予定データを事前に連携することで、日清食品の在庫調整に関する業務時間を月約200時間削減▽日清食品の商品情報を三菱食品へ自動連携することで商品情報の登録業務を効率化▽三菱食品から日清食品への発注時にトラック1台当たりの積載効率を最大化するAIモデルを構築、配送に必要なトラック台数を約30%削減可能と試算した。

 両社では今後、AI技術を活用した受発注業務、需給バランス調整業務の効率化と自動化を推進することで、生まれた時間や削減したコストを商品の安定供給をはじめとした消費者の利便性向上やサプライチェーン全体の最適化に生かしていく方針。

 協業の最大の目的は、自社だけの効率化を追求する従来の商習慣を見直し、製造・卸売・小売の各社がメリットを得られる「共創型データ連携プロセス」を構築することにある。この仕組みを通じて、サプライチェーンに存在する様々な「ムリ・ムダ・ムラ」をデータに基づいて可視化し、垣根を越えてデータ連携することで食品流通業界全体の商習慣改革を目指すとした。

ソース
編集部おすすめ