全国餅工業協同組合は今年で創立50周年を迎えた。これを記念し、5月15日に新潟市内のホテルで祝賀会を開催。
加盟企業のほか、もち米の生産・集荷関係者や関連業界、行政などから約70人が出席した。

高度成長期に包装餅が一大産業として発展する中、国産もち米以外の廉価な原料を使った低品質の製品も出回った。これに業界は危機感を抱き、餅本来のおいしさを味わえる安心・安全な包装餅の普及へ有志32社が集結。1975年に発足したのが同会だ。

その後は国内産水稲もち米100%使用を認証するシンボルマークを制定し独自基準による自主検査を実施するなど包装餅の品質維持・向上に尽力。2010年からは10月10日を「お餅の日」と定めSNSによるレシピ発信も行うなど餅文化の普及発展に努めてきた。


あいさつした同会の佐藤元理事長(サトウ食品社長)は「50年の歩みは決して平たんではかった。もち米は過剰と不足を繰り返しながら、価格は乱高下。平成5年の冷害によるコメ不足では組合員は大きな打撃を受けたが、その後も便利でおいしい包装餅の開発へ企業努力を重ねてきた」と回顧。

「国内産水稲もち米だけを使用し、認証マークを表示した包装餅は食品小売業の皆さまから安心・安全な食品として認知され、消費者の皆さまにお届けしている」として、行政や関係団体からの支援に感謝を表明。

その上で「食品業界全体で人口減少と高齢化による消費減少、価格や品質への要求の強まり、気候変動など様々な問題がある。諸課題を受け止め、対応を進めていく」として一層の業界発展への思いを語った。


組合のこれまでの功績を称え農水省農産局農産政策部長の松本平氏から佐藤理事長へ、農水大臣感謝状の授与が行われた。