「ひっくり返るウマさだぜ!」をキャッチコピーに1990年代後半に大量CMオンエアで話題を呼んだ「バソキヤ」。ひっくり返るから逆読み。
サンヨー食品はそんな歴史上の迷作を復活させた。『サッポロ一番 バソキヤ』である。

■後のせポテト&オニオンがカリカリしてカレー風味との絶妙なハーモニーが…生まれてない!
カップ麺シーンは常に新陳代謝を繰り返し、その99%が消えていくと言っても過言ではない。常に新味を出すのはいいけれど、再び購入しようとしても手に入らないという経験のある人は多いはずだ。期間限定を銘打っているものなら仕方ないが、そうでないものでも半年経つと市場から大抵消える。
『サッポロ一番 バソキヤ』90年代後半に一世を風靡した味が復活! だが原型がどうしても思い出せない…

なので常に新味を開拓しなければならないメーカーは大変だ。
そんなに次々と考えつくものではない。そうなると自然、かつて発売したものの復刻でしのぐという戦術が用いられる。ただ大人気を博したものは継続販売されているわけで、自然とマニアックな個性の商品の再発売となる。
『サッポロ一番 バソキヤ』90年代後半に一世を風靡した味が復活! だが原型がどうしても思い出せない…

この『サッポロ一番 バソキヤ』(136gうち麺100g・希望小売価格 税抜220円・2016年5月30日発売)は、90年代後半に話題を博したものが原型だが、CMは何となく覚えていても、その味は正直覚えていないという人が大半ではないだろうか。初代「バソキヤ」に続いて「バソキヤ2」「バソキヤ3」と続いたんだからそれなりに人気があったはず。しかも2006年にも一度復活している。

『サッポロ一番 バソキヤ』90年代後半に一世を風靡した味が復活! だが原型がどうしても思い出せない…

多分食べたことはあるはず。しかしどうしても思い出せない。変わりダネ系だったことは何となく覚えているが、どういうものだったのかはわからない…。
『サッポロ一番 バソキヤ』90年代後半に一世を風靡した味が復活! だが原型がどうしても思い出せない…

そんな記憶喪失気分を味わいつつ、食べてみることにする。麺は卵を練り込んだ中太の油揚げ麺。かやくはごくシンプルに後のせのフライドポテト&オニオン。
湯入れ3分で湯きり。香りは王道の油揚げ麺の濃厚な香り。
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そこへソースを投入。ペロリと舐めてみたが、かなり甘い。お好み焼き系甘辛ソースだ。そこにカレー風味のパセリ入りスパイスをふりかける。
これはエスニック色の強い風味だが、辛くはない。
『サッポロ一番 バソキヤ』90年代後半に一世を風靡した味が復活! だが原型がどうしても思い出せない…

そして問題のフライドポテト&オニオンだ。完全に乾燥しているので麺に程よく絡むわけではない。あくまでクルトン的な立ち位置でカリカリのまま食べるようだ。
『サッポロ一番 バソキヤ』90年代後半に一世を風靡した味が復活! だが原型がどうしても思い出せない…

甘辛ソースの味わいがパーっと広がって、カレーはほんの風味付けということがわかる。ふむ、普通に美味しいかな。
決してひっくり返りはしないが。そしてカリカリとしたポテト&オニオンがアクセントに……あまりなっていない。あくまで焼きそばにスティックポテトのかけらをかけてしまいましたという感覚。オニオンに至ってははっきり味がわからない。やはりひっくり返ることはできない。
『サッポロ一番 バソキヤ』90年代後半に一世を風靡した味が復活! だが原型がどうしても思い出せない…

そもそも食べてみても、何の記憶領域も刺激しないのはどういうことか。
結局モヤっとしたものが解消されることのないまま完食。決してまずいものではない。ただ物足りないだけ。そもそも「ひっくり返るおいしさ」というのはハードルを上げすぎだろう。肩透かしを食らわされた思い。あまり期待しすぎずに食べれば、ポテトのカリカリ感でそれなりに楽しめると思う。しかしリピートしたくなるほどのものとはどうしても思えなかった。
『サッポロ一番 バソキヤ』90年代後半に一世を風靡した味が復活! だが原型がどうしても思い出せない…
サンヨー食品 サッポロ一番 バソキヤ 136g×12個