コロナ収束&マッチングアプリ疲れで令和に「合コン」が再熱中!...の画像はこちら >>

1回で複数人と会えるのは、コスパがいい? ※写真はイメージです

男女の出会いはマッチングアプリが主流だと思っていたが、最近は合コンが人気だという。その理由は? そして、昔との違いは? 令和の合コン事情を探った!

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■マッチングアプリより参加のハードルが低い

「合コンに行きたいと思いますか?」という質問に、20代前半の男女の約9割が「行きたい/機会があれば行きたい」と答えたという(2023年12月発表。マッチングアプリを運営する「Mrk&Co」のアンケートより)。

実は今、若者の間で〝合コン〟がジワジワと人気になっているのだ。日本合コン協会会長の田中絵音氏が解説する。

「現在でもマッチングアプリを利用する人のほうが多数ですが、一方で〝マッチングアプリ疲れ〟に陥っている人もいます。

マッチングアプリは、スペック(学歴、年収、コミュ力、身長など)が高くて顔が良い人ならば、多くの人から選ばれるため、やっていて楽しいと感じるはずです。しかし、それに当てはまらない人たちは、ただ課金しているだけになるので面白くありません。

また、マッチングアプリは『いいね』などをたくさん送ってマッチングしても、その後に何度もメッセージを交換してやっと会えることが多く、その作業にかなりの時間を取られてしまいます。

さらに、実際に会ってからも『想像していた感じとちょっと違うな』『なんか話が合わないな』と思っても、たいていの場合は我慢して1時間くらいは一緒に食事などをするでしょう。

一方で合コンは、一度日時が決まってしまえば、その日に複数の異性と出会うことができ、『どんな人が来るんだろう』というワクワク感があります。

また、その中にはマッチングアプリでは出会えないようなかわいいコが参加している可能性もあります。自分のスペックでは勝負できなかった相手と知り合うこともできるのです。

さらに合コンに参加したメンバーを見て、『恋人にするにはちょっと』と思っても、『友達としては楽しそうだ』『知らない業界だし、人脈を広げるにはいいかも』『友達もいるし、今日は楽しく飲むか』などと目的を変えることもできます。

ですから、合コンのほうが参加のハードルが低く、チャンスが転がっていて、いろいろな目的で使えることが若者の間で人気になっている理由ではないでしょうか」

かつての合コンは、幹事となる男女が知り合いで、それぞれの友人などを連れてくるパターンが主流だったが、今は〝合コンサービス〟を利用する若者も多いという。

コロナ収束&マッチングアプリ疲れで令和に「合コン」が再熱中!

コロナ収束&マッチングアプリ疲れで令和に「合コン」が再熱中!

合コンマッチングサービス「コンパイキタイ」を運営する「トゥエンティトゥ」代表取締役の鈴木悠史氏に合コンサービスの特徴を聞いた。

「『コンパイキタイ』は、合コンの幹事さんをマッチングさせるサービスです。例えば、男性幹事が『5月20日に恵比寿で会社の同僚3人との飲み会をしたいです』といった募集をします。すると、女性幹事から『私たちはその日に行けます』というアクションが送られてきます。

そして、マッチングするとメッセージのやりとりができるようになり、合コンが開催できるようになるというサービスです。

また、私たちのサービスの特徴のひとつに『会社認証機能』があります。

本人の会社の名刺をアップロードしてもらって、表示・検索ができる機能です。

例えば『大手商社の人と飲みたい』『航空会社のキャビンアテンダントと飲みたい』といった希望がかなえられる可能性があります。そして『キャビンアテンダントさんはこういうイメージだったけど、意外とこうだったね』などとイメージの答え合わせもできるのです。

もちろん、絶対に会社名を登録する必要はありません。身バレのリスクがありますし、会社に知られるのが嫌な人もいるので、会社名を外したプロフィールで登録している人も多いです。

もうひとつの特徴が『評価・口コミ機能』があること。

これは『楽しかったか』などの評価や口コミをお互いにつけることができる機能です。

大手商社の人であっても、楽しい合コンをしない人は評価が低くなり、その人に合コンを申し込む人が少なくなります。評価制度があることで、楽しい合コンをしようと思う人が多くなるのではないかと考えています。

ちなみに、私たちは『合コンは、マッチングアプリよりもタイパがいい』と思っています。

ひとつは、マッチングアプリは1対1だけれども、合コンは3対3だったりするので、同じ2時間でも3倍の出会いがあります。

もうひとつは、マッチングアプリだと、自分が話を盛り上げなくてはいけないけれど、合コンだと自分が話さなくても周りの人が盛り上げてくれたりする。

だから、楽しいと感じる時間が長い。無駄な時間を過ごす可能性が少なくなることです。

『コンパイキタイ』の目的は、〝楽しい合コン〟なので、会社認証機能や評価・口コミ機能を取り入れて、楽しくタイパが良い合コンを多くの人に経験していただければと思っています」

■合コンが終わってからライングループをつくる

では、実際に合コンサービスを使っている人は、どう感じているのか?

30代の男性で広告関係の会社に勤めるA男さんと、30代の女性でIT関係の会社に勤めるB子さんに聞いた。

――合コンサービスを使い始めた理由は?

A男 合コンは異性の知り合いがいないと開くのが難しいんですが、合コンサービスを使うとその手間がないので楽なんです。なので、今は月に2回くらいはやっています。

B子 やはり、その人のバックグラウンドが見えない状態で、1対1で会うのはハードルが高いんです。

でも、合コンだと気心が知れている友達も一緒にいるので、安心して参加できます。

――合コンする相手の条件とかありますか?

A男 条件は特にありません。

B子 私も条件は特にありません。強いて言うなら同世代の人くらいですかね。普段、交流がない人たちとお話をするのもすごく楽しいです。

――会費は?

A男 ひとり5000円くらいですが、男性が少し多めに出す場合が多いですね。

B子 男性がおごってくれる場合もありますし、多めに払ってくれる場合も、割り勘の場合もありますよ。

――席順は?

A男 本当は男女交互で座りたいんですが、最初は男女で分かれて横並びで座ります。

B子 そうですね。一列横並びで座ることが多いです。

――どんな感じで合コンは進んでいくのでしょうか?

B子 最初は自己紹介からです。あと、やはり出会いを求めて集まっているので、好きなタイプとかを話します。

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――ゲームとかはしない?

A男 あまりやらないですね。それよりも話している時間のほうが多いです。

――ボケ役とかツッコミ役とかの役割分担もない?

A男 ないです。

――では、気に入った異性がいたときのサインとかは?

A男 特にありませんが、例えば、トイレに行ったときとかに、友人にラインとかで「C子ちゃんかわいいね」とかは送ります。

B子 あんまりないですね。合コンが終わってから「どうだった?」みたいな連絡を取り合うことはありますが、合コン中はないです。

A男 基本的に合コンが終わってから全員のライングループをつくって「今日はありがとうございました」と送り合うんです。その後、気になった異性を個別に誘うという流れです。

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前出の田中氏が、今と昔の合コンの違いを説明する。

「昔は男性がゲームやイッキ飲みで盛り上げて、グイグイ女性に迫るパターンが多かったと思いますが、今はもっとおとなしくなっています。その日に〝お持ち帰り〟することはほとんどないでしょう。

また、いつでも写真や動画が撮れる時代なので、ハメを外して酔いつぶれたりすることも減ってきています。そもそも、お酒を飲む若者も少なくなっていますから」

マッチングアプリよりも安心して出会え、タイパがいい合コン。令和の時代に再燃しているのは、必然なのかもしれない。

取材・文/村上隆保 イラスト/はまちゃん 写真/PIXTA