なぜ「阪神藤川ディス」が止まらない? 歴史的独走でもファンは...の画像はこちら >>

優勝目前の阪神・藤川球児監督
阪神が強すぎる。8月27日の時点で2位との差は10ゲーム以上で優勝街道まっしぐら! でも、なぜか虎ファンたちはしっくりきていない。
その原因は藤川球児監督にあるという......。

*  *  *

■独走モードなのに盛り上がりに欠ける!!

阪神が驚異的な勝ちっぷりを見せている。8月27日時点で2位に10ゲーム以上の差をつけ、9月上旬にも優勝を決めそうな勢いだ。

しかし、多くの阪神ファンが今季のぶっちぎり優勝について「盛り上がらない」と贅沢(ぜいたく)な不満を語っているという。そんな阪神ファンに今の気持ちを聞いてみた!

まず向かったのは、居酒屋「尼のトラのおばちゃんの店」。店主の引田孝子さん(81歳)は全身ド派手な衣装で阪神を応援する名物ファンのひとり。

「一昨年の岡田(彰布/あきのぶ)監督の優勝のときは『アレ』やら『おーん』やらで、もっと盛り上がってたと思うんですけど、そういう熱気が今年はそのときほどないねえ。まだちょっと早いからかもしれないんですけど。

一昨年のマジックが点灯した頃には『優勝したら、取材お願いします』といっぱいテレビ局の人から連絡が入ってました。今はまだゼロ。音沙汰なし。今年優勝したらテレビの人ら来てくれるんかなあ(笑)」

なぜ「阪神藤川ディス」が止まらない? 歴史的独走でもファンはストレス...
居酒屋「尼のトラのおばちゃんの店」店主の引田孝子さん(81歳)は「今年は一昨年ほどの熱気はないねえ」と冷静に語る

居酒屋「尼のトラのおばちゃんの店」店主の引田孝子さん(81歳)は「今年は一昨年ほどの熱気はないねえ」と冷静に語る
長年応援している「尼崎中央三丁目商店街」の理事長・寺井利一さんも続ける。

「確かに、暗黒時代のことを思ったら今の状況は戸惑いますよね。あの頃は1勝したらその1勝の話題で何日も喜んだり、負けた日もヒット1本で喜んだりしてましたから(笑)。

一昨年優勝して、去年も本当は優勝できたぐらいなんで、阪神ファンが優勝慣れしてきたというのもあるのかもしれません」

取材を続けていくと、この盛り上がりに欠ける雰囲気は藤川球児監督の采配などが原因だという声が聞こえてきた。ストレス! 面白くない! という意見がチラホラ。60代の女性ファンは語る。

「私らの仲間では藤川さんの采配は『謎采配』とよく言ってます。だって『謎』としか言えないですよ。なんで、ここでこの投手を代えるんか、なんでここまで引っ張ってしまうんかとか。

投手出身なんで、継投とかもうちょっとうまくやるのかなと思ってたら、そうでもなかった。もう『謎』としか言いようがない。きっと頭の中は『宇宙人』なんやと思います。

でも、それで勝ってしまっているから大きな声では『宇宙人采配』とか『謎采配』なんて言えないんです。

でも、みんな心の中で思ってますよ。『なんで?』って(笑)」

阪神の2軍球場SGLスタジアム近くの居酒屋「寅吉」の店主も不満を語る。

「夏場に入って、レギュラー選手を休ませる目的で試合に使わないようになったでしょ。けど、なんでもかんでも休ませたらいいもんと違う。

8月10日の試合で5打数4安打1ホームランと当たりまくっている絶好調のサトテル(佐藤輝明)を突然、その次の試合の広島戦でスタメンから外して休養させた。

藤川監督にしたら疲労を考慮して休ませたつもりかもしれんけど、休ませた次の8月13日の試合から復帰したサトテルは目も当てられんほど絶不調になってしもた。調子の悪い選手を休ませるんならわかるけど、絶好調のサトテルを休ませてその後、絶不調にさせてどないすんねん」

確かに佐藤輝は強制休養後、8試合中7試合でノーヒットと大不振。しかし、佐藤輝が絶不調の8試合のチームの勝敗を振り返ってみると、5勝2敗1分けと大きく勝ち越し。藤川采配を批判しようにも声高にできないストレスがこんなふうにあるわけだ。

なぜ「阪神藤川ディス」が止まらない? 歴史的独走でもファンはストレス...
毎年マジックをカウントダウンする尼崎中央三丁目商店街では8月中旬にすでにマジック20の数字が点灯。早すぎなのも問題か!?

毎年マジックをカウントダウンする尼崎中央三丁目商店街では8月中旬にすでにマジック20の数字が点灯。早すぎなのも問題か!?
さらに60代の男性ファンからはこんな声も。

「これまで180試合連続出場を続けていた近本も藤川流の強制休養のために今季初の欠場。

近本の場合は休養前の2試合がヒットなしだったので、いい休養になったけど、連続試合出場も選手にとってはいいモチベーションのはずやったと思うんやけどね」

また、インパクトの強かった前監督の面影がちらつくのか、50代男性ファンからはこんな意見が上がった。

「前任の岡田監督が本音をズバズバ言う監督だったからか、当たり障りのない言葉を大量に使う藤川監督のコメントがなんかよそ事みたいに聞こえて面白くない。

監督コメントで『それは個人に聞いてもらう』とか『そこはコーチに聞いて』と言ったり、サトテルがホームランを打った試合で『本人にとって良かったかもしれない』と言った後『僕はどうかわからないですけど』とつけ加えてみたり、どうも人ごとのような発言に聞こえてしまう。

ファンは監督が選手をどう思っているのかを知りたいんやけど......ズバリ監督に思ったことを言ってほしい」

その結果、こんな形に。

「優勝するに決まってると思うと、もう最近は試合途中でもチャンネルを変えてます。

でも、解説が岡田さんのときだけは録画までして最後まで試合を見てますわ。試合を見るというより、岡田さんが今の阪神をどう思ってるのかのほうが興味あるし、話も直球で面白いしね」

そして、阪神ファンがいつも悩まされる「今は調子いいけど......」問題がここでも浮上! 60代男性ファンが語る。

「間違いなく優勝はするでしょう。でも、楽に優勝してしもた分、短期決戦のクライマックスシリーズが怖い。

ほかの2位争いをしているチームは最後まで本気で戦ったモードでCSにやって来る。阪神は早くからマジック点灯させて、今なんか主力を休ませて若手をどんどん使い出した。余裕がありすぎていわゆる消化試合モードです。

こんな緩い調子でCSに入って大丈夫かなと思います。巨人には岡本(和真)が帰ってきてますし、勝率も5割を超えてきてる。シーズンは楽に優勝して、CSはコロッと負けそうな予感がしてたまりません」

完全優勝して黙らせるのか!? ほれ見たことかとなるか!? 監督、大変でしょうけど頑張ってください。

取材・構成/ボールルーム 写真/時事通信社

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