◆テニス ▽全米オープン(1日、米国・ニューヨーク)
2018、20年優勝で、世界ランキング24位、第23シードの大坂なおみ(フリー)が、5年ぶりのベスト8に進出だ。同3位で2023年優勝、今年の全仏優勝のコリ・ガウフ(米国)に6-3、6-2のわずか64分で快勝した。
大坂が少し感傷的になった。「泣きたくはない」と言うと、必死で涙をこらえた。4回戦とベスト8では、1勝の違いだけだが、意味合いが大きく異なる。8強入りこそ、その時点で限られた強豪の仲間入りだ。「世界で最も好きなコートに戻ってこられて、そして勝てて本当にうれしい」。全米のセンターコートで勝てたのも、2021年1回戦以来4年ぶりだった。
大会注目の好カードは、大坂の強さだけが光る快勝だった。最初のマッチポイントで、ガウフがフォアをあっけなくネットにかけると、左拳でガッツポーズをつくった。「勝つことよりも、笑顔でいること、ベストを尽くすことだけに集中した」。
サーブを改良中のガウフは、1回戦でダブルフォルトが10本。この日は5本に抑えたが、最後まで波に乗れない。対照的に、大坂は自身のサービスゲームを1度も失わないどころか、ブレイクポイントさえ与えない盤石さだった。
この勝利で、9月8日に発表予定の最新世界ランキングで、10位台に復帰することが濃厚となった。世界10位台は、2022年1月24日の週に14位だった時以来、約3年7か月ぶりだ。また4大大会で過去ベスト8に進んだのは、2018年全米、19年全豪、20年全米、21年全豪の4度。そして、そのすべてが優勝だ。