バドミントン 世界選手権 第6日(30日、パリ)

 女子ダブルス準決勝が行われ、昨夏のパリ五輪銅メダルで世界ランク3位の志田千陽(28)、松山奈未(27)組=再春館製薬所=は、同2位のパーリー・タン、ムラリタラン・ティナア(マレーシア)組に1―2で逆転で敗れた。今大会限りでペアを解消するため最後の試合となり、メダルは銅で確定した。

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 1歳違いのシダマツは志田が秋田、松山が福岡出身。性格も「全然違う」というが、最初から波長があった。出会いは志田が高1、松山が中3のジュニア代表合宿。ベンチで人見知りの松山に、おしゃべりな志田が「ねえ、緊張した? タメ口でいいよ」と話しかけ「ちい」「なみ」と呼び合う友達から始まった。

 コート外で行動を共にするペアは少ないが、シダマツは海外遠征も同部屋。志田が「聞いて~」と、部屋で乃木坂46の新曲をエンドレスに流しても「私も知識がついてきてちょっと詳しくなった」と松山はストレスなく居心地が良かったという。

 17年、松山は「志田と組めるか分からない」と言われながら「機会があるなら」と志田のいる再春館製薬所に進むことを選び、シダマツは本格始動した。武器は、松山を軸にした「速い攻撃」。志田が「松山のスピードのある攻撃は世界でトップ。私にはできない」と認め、バレエをしていた柔軟性を生かして広く動き、後衛から好機を作って前衛の松山が決める。「自由に動けるのは絶対にカバーしてくれるから」と固い信頼関係ができあがった。

 昨夏のパリ五輪直後のジャパン・オープン。

準々決勝敗退後、会場で松山が体調を崩した際、志田が所属スタッフに連絡して状況を説明し、1人で報道対応した。普段も1つ年上の志田から話し出すため、最初は積極的な印象だったが、自分のペースを大事にする松山を思っての振る舞いだと知った。松山の「志田さんとじゃなかったら、ここまで来られなかった」との言葉に2人の絆を感じた。

 世界ランクは日本勢最高3位で試合会場でファン交流会を開催すれば、来場が多く規制がかかるほど大人気。名実ともにトップのペアは惜しまれつつ、それぞれの道を進む。(宮下 京香)

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