1月23日召集の通常国会冒頭に衆院を解散する意向を示した高市首相。高い支持率を背景に総選挙での勝利で議席回復を狙う
1月23日召集の通常国会で衆議院の解散・総選挙を宣言した高市早苗首相。
ただ、党内には不安の声も。有権者の高市首相支持はイコール自民党支持ではない。そんな状況で拙速に選挙に突入したら、どうなるか......。永田町の内幕を取材した!
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【予算後回しで解散へ】1月13日、国会内で開かれた両院議院運営委員会――。
永田町に解散風が吹き荒れる中、この会合に政府を代表して参加した木原稔官房長官が野党側理事や衆参の事務方に伝えたことはふたつだった。野党関係者が言う。
「ひとつは予定どおり1月23日に通常国会を召集すること。もうひとつは召集日に行なわれる首相の施政方針演説など、政府4演説のスケジュールについては『政府として示さない』ということでした。
その言葉を聞いたとき、これで国会冒頭での解散はほぼ確実になったと確信しました」
全国紙官邸キャップがこう解説する。
「総理の施政方針演説など、国会冒頭で行なわれる政府4演説をもとに、野党など各会派の代表が質疑を行ない、政府の姿勢をただすのが国会初日の通例です。
その4演説の予定が白紙と通告するなんて異例中の異例。
実際、高市首相は奈良での日韓首脳会談を終えた翌日に帰京し、午後5時半から官邸で鈴木俊一自民幹事長、連立パートナーの維新幹部と会談し、内々に解散の意向を伝達している。
前回総選挙があったのは一昨年10月。衆院の任期が4年あるにもかかわらず、高市首相はわずか1年3ヵ月足らずで解散に踏み切ることになった。
見逃せないのはこの冒頭解散で、今年度本予算の成立が大幅に遅れることだ。
官邸では1月27日公示、2月8日投開票のスケジュールを軸に、解散・総選挙の日程を調整しているという。通常、本予算案は、1月下旬に国会召集、2月に衆院、3月に参院で審議され、3月末に成立する。
だが、2月に選挙をすれば、本予算成立は早くても4月になる。その間は必要最低限の予算だけを執行する暫定予算を組んで政府を回すしかない。経済産業省の元官僚・古賀茂明氏はこう指摘する。
「高市さんは首相就任以来、『物価高対策、経済対策を最優先に取り組む。解散なんて考えている暇はない』と何度も口にしてきた。
実は永田町界隈(かいわい)では昨年末まで、26年の通常国会冒頭での解散はないというムードが支配的だった。
その根拠となったのが、昨年12月18日から19日にかけて矢継ぎ早に明らかになった国民民主党の本予算成立協力方針だった。
「所得税がかかる最低年収、いわゆる"年収の壁"を178万円に引き上げることを自民と日本維新の会が合意するプロセスで、国民民主の玉木雄一郎代表が26年度予算成立への全面協力を表明したのが12月18日でした。そしてその翌日に通常国会の召集日が決まった。
自民・維新に加え、国民民主までもが予算成立に協力となれば、高市首相は大船に乗った気分で予算案作りに取り組める。国民民主の議席を足せば、過半数割れの参院でも与党は多数の賛成を得ることができますから。
そのため、予算成立が確実視できる状況となった以上、解散を焦ることはない。あるとしても予算成立後の26年4月前後、あるいは通常国会会期末の6月あたりになると多くの国会議員が受け止めていたのです」
それが、年が明けるとにわかに解散風が強まり、1月14日には首相自らが与党幹部に意向を伝えるという形で解散が公式化されることになった。
その間、わずか3週間ほどしかない。この短期間に高市首相の心境にどんな変化があったのか? 自民国会議員秘書がささやく。
「ひと言で言えば、『今なら勝てる』という官邸内の説得にようやく高市さんがうなずいてくれた、ということです」
高市内閣の支持率はいまだに6~7割台をキープしている。自民が行なった直近の内部調査では、「今、解散・総選挙に打って出ればプラス30議席、うまく戦えば、衆院で自民単独過半数の回復もある」という結果が出ているという。
「高市政権では今井尚哉(たかや)内閣参与、佐伯耕三内閣広報官といった安倍晋三政権時に力を振るった官邸官僚が、政権発足直後から高市さんに『今なら勝てる。すぐにでも解散・総選挙すべき』と進言してきました。
ただ、高市さんは政局より自分の政策を実現させることを重視する。だから、まずは補正予算、そして本予算をしっかり仕上げたいと、官邸官僚のアドバイスを受け流してきたと聞いています。ただ、ここにきてようやく、今井参与らの説得に耳を傾けるようになったということなのでしょう」
国際教養大学大学院客員教授で、国際ジャーナリストの小西克哉氏もこう言う。
「今は高い内閣支持率に加え、国民の反中感情をテコとした追い風も期待できる。昨年11月の台湾有事発言は中国の制裁を招いたという点で外交的には失敗でしょうが、一方で、高市さんは中国相手に堂々と持論をぶつけて譲歩しない骨のある政治家という高評価をもたらしている。
中国がインバウンド規制やレアアース禁輸など、小出しに対日制裁をすればするほど、高市ガンバレの声が大きくなるという状況です。そんな状況を考えると、『今なら勝てる』と高市さんが解散へと一歩踏み出したこともわからないではありません」
前出の古賀氏もこう同意する。
「中国商務省が公表した対日軍民両用品目の輸出規制リストは168ページもある膨大なもの。懸念されるレアアースだけでなく、爆薬や肥料に欠かせないリンなども規制対象になりうる。そうなれば、日本の農業は肥料不足になり、大きなダメージを受ける。
ただ、そうした悪影響はすぐに表れるのでなく、もう少し先のこと。問題はそのダメージが国会会期中に顕在化すれば、今の『中国に負けるな』のエールは小さくなる。そうすれば当然、内閣支持率は下がる。そうなる前に、勝てるうちに総選挙をやろうと、高市さんは解散を決断したのだと思います」
【解散決意の"本音"】高市首相が解散を決断した表向きの理由は①自公から自維へ変わった連立枠組み②新たに高市首相が打ち出した積極財政策の2点の可否について、国民の審判を受ける必要があるというものだ。
ただ、本音は別にあるというのが永田町の大方の見方だ。
最大の理由として浮上しているのが米トランプ大統領の動向だ。
昨年11月にトランプ氏がSNSで発信した「G2」(超大国のアメリカと中国の2国が世界を仕切り、牽引[けんいん]するという意)発言、そして南米ベネズエラでの地上作戦から高市政権として読み取るべきことがある。
「それは、高市首相がトランプ大統領からハシゴを半分外された状態にあるということです」(前出・小西氏)
昨年12月に発表された米国家安全保障戦略で、トランプ政権は西半球を重視する姿勢を鮮明にした。そのひとつの表れが新年早々のベネズエラ地上作戦だろう。
その一方で、東半球については中国抑止への"関与"は続けるものの、日韓にさらなる軍事費増を要求することで、台湾有事などの抑止の役割を日韓に押しつけようとしているフシがある。小西氏が続ける。
「今年、トランプ氏は中国の習近平主席と両首脳の相互訪問、G20、APECと4度も会います。
だからこそ、トランプ氏は昨年11月の日米電話会談で高市首相に、『台湾関連の発言を抑制するように』(米WSJ紙報道)と注文をつけたというわけです。
トランプ氏は、同盟関係は腐れ縁に過ぎないとも発言している。今では日本が中国と対立してもトランプ政権の加勢はさほど望めないと、高市首相もよく理解しているはずです」
そんな中、日本をいじめてもトランプ政権は黙っていると判断したのか、ついに中国がレアアース規制を発動した。こうなると、通常国会で「台湾有事発言はやはり間違っていた」と首相が野党から責め立てられるのは目に見えている。
また、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)スキャンダル再燃の懸念もある。
「韓国特別検察が公表した統一教会の内部文書に、日本政界工作の実態が詳細に書かれているんです。
そこには『高市氏が自民総裁になることが天の最大の願い』など、高市さんの名前が32回も登場しています。
そのほかにも教団が290人もの自民議員を選挙応援したこと、萩生田光一(はぎうだ・こういち)幹事長代行が教団からエルメスの高級ネクタイをプレゼントされていたこと、長島昭久衆院議員がかつて統一教会に入信し、女性信者との合同結婚式を挙げたことなどが書かれている。
当然、これも野党にとっては格好の攻撃ネタになるでしょう。
だったら、勝てるうちに総選挙をやって国会をリセットしてしまおう。その上で過半数を回復すれば、野党から攻撃されても国会運営をこちらのペースでできる。
衆院での過半数回復に向けてひた走る高市自民。しかし、党内では「最低でもプラス30議席」という事前調査とは裏腹に、「ひょっとしたら勝ちきれないかも」という不安がくすぶっている。
ひとつは事前調査への不安だ。
「この調査はオートコールで行なったもので、人力によるオペレーター方式より回答率が低く、信頼度に不安があります。オートコールで高市政権への支持を聞かれ、律義に答えるのは高市支持者が多い。野党支持者などはアナウンスが流れた瞬間に切ってしまう。当然、調査結果は高市自民に有利になる
。実際、高市政権になっても昨年11月の葛飾区議選、今年1月の前橋市長選など、自民は敗北続き。自民支持率も30%前後で低空飛行が続いたまま。こんな状態で、高市首相の支持率が高いからといって衆院選で勝てるのかと疑心暗鬼になっている自民議員は少なくありません」
野田佳彦代表率いる立憲民主党は、自民との連立を解消した公明党と新党結成に合意した
野党の巻き返しもある。1月15日、突然、立憲民主党と公明党が予想外の動きを見せた。
「両党は新党を結成することに合意しました。比例区候補を同じ名簿に記載する統一名簿作りを進める方針です。
昨年の参院選での比例票は自民1280万票に対し、立憲が740万票、公明520万票の計1260万票とほぼイーブン。小選挙区でも1万~2万票とされる公明票が自民候補にいかず、立憲候補に流れる可能性が大となった。
これで新党ができて、中道票を集めれば、手ごわい相手になる。高市人気で過半数回復という自民の皮算用がにわかに怪しくなりました」(前出・全国紙官邸キャップ)
ここにきて国民民主が高市自民と距離を置く動きを見せているのも高市自民にとってマイナス材料だ。
「解散による政治空白で、経済対策が遠のく。約束した本予算成立への協力は確約できないと、玉木代表が態度を硬化させているんです。
国民民主は次の衆院選で予算案を提出できる51議席以上を狙い、100人の候補者擁立を目指してきました。ただ、早期解散で目算が狂い、現状ではその半分以下にとどまっている。
そのことへの不満が、玉木代表が猛反発する理由につながっている。場合によっては、高市首相は国民民主を連立パートナーに加えるという戦略の見直しに追い込まれる可能性もあります」
思惑どおりに進まないのが選挙。果たして高市首相は自民の予測どおりに衆院選に大勝できるのか?
写真/共同通信社





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