【みんなの給与明細】自営業・経営者たちの憂鬱「高市政権発足後...の画像はこちら >>

日本経済に何よりも必要なのは賃上げ! そう信じる週プレは、現役世代の賃金事情を2023年から毎年調査し続けてきました。物価上昇が始まってはや4年。
ベアはどこまで浸透した? ボーナスは? 原油高やAIの影響は? 総力調査した!

第3回で取り上げるのは、己の才覚次第でいくらでも稼げそうな自営業。雇われの身よりもロマンがあるが、その実態やいかに!?【みんなの給与明細2026年 春闘お疲れさまでしたVer. Part3】

*本特集に出てくる年収やボーナスは、額面の金額です。すべて個人に対する取材によるもので、職種や業界の平均値ではありません

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【無限の可能性を秘めている!? 自営業者・経営者】

●民泊経営者(男/40代前半)

<年収>180万円 
<冬のボーナス額>なし 【前年比】→ 
<ベアは?>なし

もともとは文筆業をやっていたが、安定収入を得るために民泊を始めたところ、割とすぐに軌道に乗った。今は軸足をこちらに移し、地方都市と都内にそれぞれ2軒ずつ物件を所有している。

繁忙期と閑散期の差は大きいが、平均売り上げは月50万円程度で、手残りは15万円。年換算の所得が180万円といったところ。高市発言により中国人観光客が減っていて、実際、直後に3件ほどキャンセルがあった。

都市部の民泊はレッドオーシャン気味で、地方は家賃が安い分、ローリスクローリターンといった感じ。ただ、自分の場合は都市部のほうが実入りは多い。

●料理研究家(女/30代後半)

<年収>220万円 
<冬のボーナス額>なし 【前年比】→ 
<ベアは?>なし

レシピ開発、ケータリング、飲食企業への商品企画やコンサルティングなど、仕事は多岐にわたる。たまに街の料理教室でゲスト講師を務めることも。

料理上手な人がSNSなどでレシピを発信できる時代で、そもそもネット上には無限に情報があるので、一般向けの市場については飽和状態にあると思う。

料理研究家を名乗る人も多く、独自性を見つけるのは難しい職業だと感じている。

加えて知人から「手料理を食べさせて」とか「食事会を開催して」と言われまくる。オフのときくらいキッチンから離れさせてほしいのが本音。好きでやっている仕事ではあるが......。

●行政書士(男/30代後半)

<年収>480万円 
<冬のボーナス額>なし 【前年比】→ 
<ベアは?>なし

語学力を武器に、行政書士として外国人関連の業務に注力している。

例えば日本国籍取得申請や在留期間更新許可の申請、経営・管理ビザ申請などを得意とすることで、同業者との差別化を図ってきた。

ところが高市政権発足後、国籍取得は原則10年以上在留している人に限定すべきといった議論もあり、様子見する人が多く、仕事は少し減っている。

同じく経営・管理も制度改正の話題が先に立ち、外国人起業家の多くが計画を凍結しているため、商売あがったり。

業界全体としても過当競争気味で、専門分野に特化できなければ、なかなか事業として成り立たない。

●推し活代行業者(男/30代半ば)

<年収>460万円 
<冬のボーナス額>なし 【前年比】→ 
<ベアは?>なし

便利屋として不用品処分や引っ越し手伝い、レンタル家族などの依頼をこなしていたが、推し活代行を請け負ったら口コミが広がり、今では中心事業になっている。

ライブでのグッズ購入や遠征の段取りなど、意外とやれることは多く、グッズやチケットの発売日には深夜から早朝にかけてのオファーも多い。

5年前に推し活代行を始めた当初はブルーオーシャンだったが、この2年ほどは新規参入が増えて、競争が激化している。

自分は常連の顧客がいるので今のところ収益は安定しているが、逆に値上げもしづらいのが実情で、ビジネスとしてはもう頭打ちかもしれない。

●僧侶(男/60代後半)

<年収>450万円 
<冬のボーナス額>なし 【前年比】→ 
<ベアは?>なし

某地方都市で僧侶をやっていて、檀家(だんか)は100軒弱。法事や寺での法話が食いぶちで、そのほか、境内の掃除や檀家への案内の送付といった事務作業がある。

収入面では年によってムラが激しく、昨年で言えば前年の6割程度まで落ち込んだ。そもそも地方では家を継ぐ人間がいない家庭が多く、葬式がひとつあるとそのまま潰れてしまう家も珍しくない。

自分は投資でどうにか生活費を賄っているが、教師や農業などの副業で食べている地方寺院も多い。

なお、経費の使い込みを疑う人も多いようだが、収支を檀家に公表している真面目な寺も多く、ごまかしにくいのではないか。

●麻雀店店長(男/40代後半)

<年収>500万円 
<冬のボーナス額>なし 【前年比】→ 
<ベアは?>なし

風営法の規制により、雀荘(じゃんそう)は顧客1人当たり、1時間につき600円までしか料金を取ることができない。そもそも稼げる商売ではないことを理解しているから、現状の収入で一応満足している。

ただ、風営法は改正してほしい。麻雀(マージャン)プロリーグ「Mリーグ」の人気によって競技者人口は増加傾向にあるが、それでもまったく利益にはつながらないのが実情だ。

しかし、自営業らしく休みが自由に取りやすいのは大きなメリット。

雇っているアルバイトスタッフとあまり収入が変わらないことに愕然(がくぜん)とするが、時にはほかの雀荘でのゲスト活動など別の仕事が入ることも。

取材/鈴木 旭 友清 哲 西田哲郎 東川 亮 東田俊介 南ハトバ 茂木響平 山口真央 吉岡 俊 吉川明子 文/友清 哲 イラスト/服部元信

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