レッドブル・ゲーエムベーハーのグローバルサッカー責任者に就任したユルゲン・クロップ氏が、視察したRB大宮アルディージャへの印象を明かした。

 ドルトムントやリヴァプールなどを指揮したクロップ氏は、昨シーズン終了後に監督業を退任し、今年1月にレッドブルのグローバルサッカー責任者に就任。
現在、世界各国のレッドブル傘下クラブを視察している。

 そんなクロップ氏は今月15日に『NACK5スタジアム大宮』で行われた“RB大宮アルディージャ”での初陣となる2025明治安田J2リーグ開幕戦のモンテディオ山形戦を観戦。RB新体制を記念したファーストピッチセレモニーにサプライズで登場するなど、2-1で劇的勝利を収めた試合を見届けていた。

 改めてインタビューに応じたクロップ氏は「日本のサッカーを十分体験できたとは言えないが、今回の仕事と観戦を組み合わせることで、前よりも全体像が見えてきた。とはいえ、まだ試合を見る必要がある。観戦の大半はテレビになるだろう。ドイツと日本は少し距離があるからね」と振り返りつつ、「今回の印象はとても良かった。スタジアムの雰囲気は非常に良く、サポーターも情熱的だった。第一印象は最高だ」と大宮への好印象を明かした。

 続けて「全ての道のりが楽しみだ。素晴らしいアイデアだと思う。日本やアジアにおけるサッカー界との関係を築く素晴らしい方法だ」と語りながら、「RB大宮とはまだ始まったばかりだが、非常に楽しみだ。
日本で様々な人に会い、現状の印象を持つことができた。このあとドイツへ戻り、何ができるのか考えていく予定だ」と今後のプランに言及した。

 また、監督業を退いて新たな役割を始めた理由については「自分に変化を加えたかった」と語ったクロップ監督は、次のようにレッドブルで新たな挑戦を始めたきっかけを口にした。

「監督の仕事は好きだった。激烈な日々だった。その生活を約24年続けたあと、変化を加えたくなった。監督の才能は自覚しているが、続けるには人生は短すぎると思っている。そして、自分にどんな選択肢があるのか見てみたかった。幸運なことに頃合いよく、オリバー・ミンツラフから話が来た。レッドブルはグローバルサッカーに以前から取り組んでいたが、彼らはビジネス側ではなくサッカー側の人間を加えたがっていた。その話を聞いて、すぐに興味を持った。これが経緯だ」

 さらに、日本全体の印象について聞かれたクロップ氏は「日本は見られなかった。
東京の一部を見たけど、東京も広いので見ていないに等しい。とはいえ、素晴らしかった」と称賛しつつ、「日本を知らない人にひとつ言えるのは、食べ物が最高ということだ。あれはすごい」と感動したことを明かした。

「100%自分好みの味だ。日本食は前から食べていたが、日本で食べるのは初めてだった。完全に別物で、本当に素晴らしかった。東京の活気もクレイジーだ。昨晩少し外出したが雰囲気が気に入った。街の楽しげなムードが良かった。クールだった。東京がバーで有名かどうかは知らないが、昨晩立ち寄ったバーも良かった。自由時間は短かったが多少は観光できたし、第一印象はまさに最高だった」

 そして、「以前は知っている人から話を聞いて日本を想像するだけだった。
つまり、シンジ(香川真司)、タクミ(南野拓実)、ワタル(遠藤航)から聞いて良いイメージを持っていた」とすでに日本に対して好印象を抱いていたというクロップ氏だが、「今回初めて見て回ったが、素晴らしかった。どの国も同じで、住めば不満が出てくるだろう。しかし、数日訪れるだけなら日本は本当に特別だ」と絶賛した。
編集部おすすめ