EL準決勝はマンUの将来を決める一戦なのか？　アモリム監督「来季を変えるかもしれないが…」

マンチェスター・ユナイテッドを率いるルベン・アモリム監督が、現地時間5月1日に控えたヨーロッパリーグ（EL）・準決勝ファーストレグのアスレティック・ビルバオ戦に向けた前日会見に出席した。マンチェスター・ユナイテッドのクラブ公式HPが会見の様子を伝えている。 現在、プレミアリーグでは14位に沈むなど、不本意なシーズンを過ごすマンチェスター・ユナイテッド。FAカップは5回戦、カラバオ・カップ（EFLカップ）は準々決勝敗退を強いられたなか、今季唯一狙うことのできるタイトルがELだ。 当然ながら、アモリム監督も「本当に重要な試合だということは、誰もがわかっている」と語っており、ELのトロフィーが持つ意味は理解している。次のように言葉を続け、ELのタイトルを獲得する重要性に言及した。「チームだけでなく、ファン、君たちのような記者たち、このクラブに関わるすべての人々にとってモチベーションが高まる試合になる。我々の今シーズンを、この1試合で正当化するつもりはないが、トロフィーの大事さもわかっておかなければならない。同時に、この大会を優勝できれば、来季はチャンピオンズリーグ（CL）に戻ることができる。CL出場権がクラブにまつわる多くの出来事を変化させることはわかっている。夏の移籍市場にさえ影響を与えるだろう」 大袈裟に言えば、“クラブの未来を懸けたゲーム”とも言える一戦だが、このような状況から生じるプレッシャーについては懸念していないという。アモリム監督はその理由を「このチームが数年間にわたって問題を抱えているのだとしても、その期間にカップ戦のトロフィーを掲げることはできている」と説明。「特にFAカップは、我々のリーグでは非常に大きな価値を持つ大会だ」と、クラブが昨季掲げたタイトルにも触れながら、クラブの中長期的な成長のため、“All or Nothing”のような考え方は捨てるべきだと話した。「どの選手も国際経験が豊かだし、選手たちの準備は整っている。今季の状況はあらゆる面で本当に複雑だが、私はそれが問題だとは思わない。彼らはこの舞台にいることに興奮しているし、心の底から勝ちたいと思っている。確かに、この2試合の結果でクラブの夏が変わるかもしれないし、来季が変わるかもしれない。だが、本当の意味でクラブを向上させたいのであれば、これらの短期的な要素ですべてを判断してはならない。我々のクラブで最も重要なことではないのだからね。今、クラブで対処しなければならない物事は多い。だからこそ、CL出場権があろうがなかろうが、我々は大丈夫だ」 また、マンチェスター・ユナイテッドはELの決勝トーナメントに入ってからの4試合で12得点を奪えているが、これはプレミアリーグにおける直近12試合の得点数と同じだ。この違いについて問われたアモリム監督は、「正直に言って、わからない部分も多い」と返答。一方で、自身のフットボールに対する考え方に触れた上で、次のように言葉を続けた。「ゴールに繋がるようなチャンスを作れなかった試合もあったけど、ここ数試合はそうじゃない。たとえば、3月のインターナショナルマッチウィーク後、ノッティンガム戦、ウルヴァーハンプトン戦では理想とするチャンスを作れていたし、中断前に行われたホームのアーセナル戦でも同様だった。チャンスは作れているが、ゴールが奪えないとなると、そうなってしまう理由がわからないこともあるんだ。だが、チャンスを作ればゴールが近いことは明らかだ。ELではリーグ戦よりも点を取れているが、その違いについて具体的な説明はない」 最後に、対戦相手のアスレティック・ビルバオについては次のような言葉で分析。良い意味でラ・リーガらしからぬチームであることに触れつつ、次のように警戒した。「彼らには良いところがたくさんあると思う。この場で悪いところを言うつもりはないが、彼らはチームとして本当に力流良く、インテンシティーが高く、アグレッシブだ。スペインのチームながら、どの試合でも本当にアグレッシブに戦っている。同時に、1対1を得意とする素晴らしい選手がいるね。ニコ・ウィリアムスは特別な選手だ」「彼らはリーグ戦でスペイン最高の守備力を誇っているが、一方で我々はあまりゴールを奪えていない。我々にとっては厳しい試合になるだろう。試合の序盤、特に20～30分、彼らは本当に強く、激しく、ホームの声援も活用して試合を違うレベルに持っていくことはわかっている。このような状況に対する準備もしているが、手強いチームと対峙することに間違いはないね」 マンチェスター・ユナイテッドがアスレティック・ビルバオの本拠地『サン・マメス』に乗り込むファーストレグは、日本時間で5月1日の28：00（2日の4：00）にキックオフを迎える。【ハイライト動画】マンUはリーグ戦5戦未勝利でELへ