日本代表は10日、FIFAワールドカップ26アジア最終予選第10節でインドネシア代表と対戦し、6ー0で快勝を収めた。この試合で初ゴールを記録した森下龍矢(レギア・ワルシャワ/ポーランド)が試合後に取材に応じ、ゴールを振り返った。


 5日に行われたオーストラリア代表戦では最終予選で初黒星を喫した日本代表。森下はベンチに入ったものの出番はなく悔しい思いをした中、インドネシア戦には右ウイングバックとして先発出場を果たした。

 立ち上がりから積極的にプレーしていった森下。持ち味である攻撃力を発揮していくと、3ー0で迎えた55分にボックス内左から町野修斗が浮き球のボールを送ると、ファーサイドでダイレクトボレーを叩き込み、出場3試合目で嬉しい日本代表初ゴールを記録。6ー0の大勝に大きく貢献した。

 森下はゴールを振り返り「ゴールシーンだけ切り取れば、ポーランドでもああいう形いっぱいありましたし、落ち着いて決めることができちゃうっていうところが総括になりますけど、逆サイドにある時に今回の試合も毎回入ったというのが、結局得点につながったんじゃないかなと思います」とコメント。今シーズンはレギア・ワルシャワで公式戦51試合に出場し14ゴール14アシストと攻撃力を見せつけてきたが、積み上げたものが出たゴールだったと振り返った。

 右ウイングバックでは今回は招集されていない堂安律(フライブルク/ドイツ)や伊東純也(スタッド・ランス/フランス)などライバルは多い。ただ、違う色を出せた森下は「チームにとって大きくなってくれたら嬉しいですけど、僕のプレースタイルは点を取ることなので、常に走り込む、労を惜しまずに行けるっていうところが、僕の強みでもあると思っています」と自身のスタイルを語り、「Jリーグにいた時から運動量ある選手って言われてましたけど、どう運動量を使うのかっていうところが、海外に行ってからすごい研ぎ澄まされたと思います」と、ポーランドでは特徴を活かす術を見出してきたようだ。

 とはいえ、簡単なゴールではなかった浮き球のボレー。狙い通りだったようで「シンプルに町野が顔をぱっと上げた瞬間には、もう決められるところに立ってるぐらいの感覚で入っています。早すぎるとか早すぎないというのは難しいんで、間に合ってればOKみたいな感覚になっています」と語り、しっかりとゴールを決めらるポジション取りができたことも、ポーランドでの成長の賜物だという。


 日本代表招集がおよそ1年半ぶりとなった森下。この2試合では1試合の出場で1ゴールを記録するにとどまった。「オーストラリア戦はもちろん自分だって試合に出たいっていう気持ちは選手なので当たり前だと思いますけど、出る出ないは僕が決めることじゃない。そこはコントロールできるとこじゃないし、みんなが全力で戦うためで、最後はもうボスが決めることなんで、そこは大リスペクトです」と、初戦ベンチに座ることとなった森保一監督の采配は納得しているとのこと。「ただこの2試合目に先発で行くって決まった時には、オーストラリアでの悔しさというか、試合に出れなかった、ベンチから俺だったらここで点取れるかもしれないって思ったもどかしさを、ピッチで出せて凄く良かったなと思います」と、悔しさを晴らす機会をもらい、結果に繋げられたことを喜んだ。

 ワールドカップ本大会まで残り1年。前述の通り、右ウイングバックは厳しいポジション争いが待っている。「チームでウイングもやってるんで、高い位置でも低い位置でもプレーできるというのが僕の強みだと思うし、特に他の選手にないようなフリーランのところ、逆サイドに走ってくみたいなところは僕の強みになると思うので、良い意味で他の代表のウィングバックの選手たちが味を出せるかなと思います」と、スタイルの違いには自信を持っている様子。より競争を激化させるための更なる活躍が期待される。


【動画】森下龍矢の日本代表初ゴールは豪快ダイレクトボレー!


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