新日本プロレスの人気プロレスラーにして「100年に一人の逸材」と言わしめ、プロレスラーを引退したばかりの第11代社長(’23年12月就任)棚橋弘至が、日々の激務のなかでひらめいたビジネス哲学を綴っていく。今回は「新人教育」について。
vol.69 社長・棚橋が考える、新人教育で教えるべき、たった一つの基礎
もうすっかり暖かくなりましたね。テレビでは、連日、桜の開花予想のニュースが流れ、4月という新しいスタートを感じさせてくれます。4月といえば、新入社員が入社してくる時。新日本プロレスは定期採用を行っていないのですが、若手選手を育成する「新日本プロレス道場」には、毎年この時期に新人が何人か入門します。
企業の皆さんは「新人教育」が始まりますね。これまでは、新人の方に「頑張れ!」とエールを送る機会のほうが多かったのですが、社長になったことで視点が少し変わってきました。
そう、人材をいかに育てていくか? これは、企業の未来に直結してくる問題。なので今回は、新人を指導、教育・育成する側にフォーカスして、考えていきたいと思います。
新日本プロレスでのプロレスラー生活で学んだことはたくさんありますが、まず初めに教わったことは、挨拶と言葉遣いと礼儀作法でした。
今は大学を卒業してから入門する選手が多いですが、昔は中学や高校を卒業後、入門してくる選手がほとんどでした。そうすると、挨拶の仕方や日常の礼儀作法など、多くの社会人的基礎から教えないといけません。
情けない話なのですが、実際に、大学を卒業してから入寮した僕も、当時は「上座にはお客様や目上の人間が座る」というマナーすら知りませんでした。
つい先日、企業様を招いての食事会があったのですが、そこに一つトラップがあったんです。座敷の奥側が「上座」だと思うじゃないですか──。しかし、その日本料理屋さんは、下座の位置から見事な日本庭園が見える。そうした場合、庭園が見える側に招いた方を誘導するんですね。危うく、上座トラップに引っかかるところでした……。
こうしたマナートラップに新人が引っかかって恥ずかしい思いをしないためにも、しっかりと基礎を学ぶ機会を提供することは大切ですよね。
ちょっとしたことでも【ハラスメント】になってしまうご時世ですからね。
「僕らの頃はこんな厳しい指導があった」という感覚のまま、同じように今の世代に接しようとしても、それは通用しません。
そんなとき、何を指導すればよいか?
それは、挨拶です。
「挨拶」によってご縁が生まれます。
どうか指導する側に立つ皆さんは、これから新社会人になられる方たちに「挨拶がしっかりできることが大事だ」と、教えてくださいね。
挨拶は、縁を繋ぐし、身を守る盾にもなりますからね。
今週のオレ社訓 ~This Week’s LESSON~
挨拶がしっかりできれば、自分の武器にも盾にもなる!<文/棚橋弘至 写真/©新日本プロレス>
―[新日本プロレス社長・棚橋弘至のビジネス奮闘記~トップロープより愛をこめて]―
【棚橋弘至】
1976年生まれ。新日本プロレスの第11代社長(’23年12月就任)。’26年1月4日を以て現役を引退。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」
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