相変わらずの円安もあり、全国各地に外国人観光客が押し寄せている。人気の高い観光地には外国人が増え、過去に例がないような、さまざまなトラブルが起きているようだ。

旅行者の急増に伴い、実際に体験した外国人観光客とのトラブルを明かしてくれたのは、東北地方にある人気観光地でタクシードライバーを務めている庄司正臣さん(仮名・40代)だ。

「運賃をタダにしろ!」山道でまさかのお漏らし、逆ギレする外国...の画像はこちら >>

ポイ捨て、放置…頭を悩ますゴミ問題

タクシードライバーとして20年以上も働いている庄司さんだが、近頃は外国人観光客とのマナー問題に頭を悩ませている。特にゴミに関しての不満が多い。

「意外に多いのが、窓からゴミをポイ捨てする外国人です。コンビニで買った食べ物のゴミを平気で窓からポイ捨てする客もいて。会社にクレームが来ることもあるので、厳しく注意します。ただ、車の窓からゴミをポイ捨てすることが悪いと思っていないお客さんも多く、注意すると口論になることもあり、非常にストレスです。また、車内に平気でゴミを捨てていく客も多い。精算後に後部座席を見ると、足元に大量のゴミが捨ててあることも多々あります。ひどい時は、食べかけのお弁当が捨ててあることもあり、処理に困っています」

禁煙にもかかわらず、タバコを吸われた

また、車内でタバコを吸いたがる外国人観光客が意外に多く、庄司さんは対応に苦慮している。現在、受動喫煙対策の強化などの影響により、原則としてタクシーは禁煙と定められた。しかし、禁煙マークを車内に貼っているものの、無視して吸いはじめるケースも後を絶たない。

「国籍は関係なく、タクシーに乗り込むとすぐに喫煙をはじめる外国人観光客は多いです。弊社のタクシーも禁煙なのでお断りするが、言葉の壁もありすぐに喫煙をやめてくれないケースもある。
言葉が通じない場合は、車を止めて注意するのですが、基本的なルールを知らない外国人も多くトラブルになりやすい。それに、おかしなタバコを吸う外国人がいる場合もある。つい先日ですが、乗車していただいた欧米系のお客様が吸い始めたタバコは甘ったるいニオイがして、車内はすぐに煙で充満してしまった。もちろん、注意してやめてもらったのですが、精算後もニオイが取れなくて困りました」

しかも、トラブルは喫煙した客が降りた後も続いた。

「自分も喫煙者なのですが嗅いだことがない香りで、もしかして大麻など違法薬物なのではないかと疑ったんです。会社に連絡すると、警察に通報したほうが良いということになった。もし、本当に違法なものを吸っていたのなら大問題ですし、仕方がないので最寄りの警察署に行って確認してもらったんです。結局、違法薬物ではなかったものの、消臭してもにおいが取れなかったので、車が当日は使い物にならなくなった。警察署に行ったり、代替の車を会社に取りに行ったりと、仕事になりませんでした」

シニア客が車内でまさかの…

外国人観光客を相手に、長年の乗務でさまざまなトラブルにあってきた庄司さんだが、中でもきつかったのが「お漏らし」だと振り返る。

「アジア系のシニアの夫婦に利用していただいた時に、まさかの車内でお漏らしする騒動があった。乗車された時ご案内した観光地が、山道を通るスポットで30分近くコンビニや休憩地点がないところでした。翻訳機を使い、事前にトイレは大丈夫か聞いたのですが、問題ないと自信満々だった。
しかし、山道の途中で騒ぎはじめ、何事かと思い後ろを見ると、男性客の股間が水浸しになっていた。細い山道なので路肩に止めることもできず、車内は大騒ぎです。走行して移動する間にも、その男性客はおしっこをとめられなかったようで、シートがビショビショになるレベルのお漏らしをされてしまった」

さらに、お漏らしをされただけでなく、客は庄司さんにクレームまで付けてきた。

「こちらの対応が悪いから漏らしてしまったと、運賃をタダにしろと言ってきた。初めにトイレについて聞いていますし、途中で寄れるスポットがないことも説明している。過去に、目的の観光地には何度もお客様を乗せていますが、小さいお子さんでも事前にコンビニなどで済ませてくれるので、お漏らしされたことはない。返金を要求された時は、イチャモンに近いクレームだったので、警察を呼ぶといったら料金は払ってくれましたが、考えられない行動に開いた口がふさがりませんでした」

外国人観光客が増えたことで、さまざまな人種、世代の客に対応しなければいけなくなりストレスが増えたという庄司さん。

「インバウンドのおかげで稼げるのは事実ですが、ストレスも多くなっているので、素直に喜べないのが本音です」

最前線で対応する現場のケアが必要不可欠になっていきそうだ。

<TEXT/高橋マナブ>

【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている
編集部おすすめ