◆JERA セ・リーグ 阪神4ー5巨人(21日・甲子園)
井上はしたたり落ちる雨粒を拭い、ポンとグラブをたたいた。4―0の4回。
6回84球、6安打2失点で今季3勝目、甲子園ではプロ初勝利。これで8試合に先発し7度目のクオリティースタート(QS=6回以上自責3以内)達成と抜群の安定感でチームをけん引する左腕は「今のところの勝ち星で一番うれしい。自分の中で阪神に勝ててなかったので、すごいうれしい」と屈託なく笑った。
雨にも負けなかった。マウンドはぬかるみ、ユニホームも重くなる中、最速149キロの直球にスライダー、フォークなどを織り交ぜ5回以外毎回となる7K。4回に大山の左前打で1点を失い、6回にも2死二塁から同じく大山に中前適時打を浴び「同じ打者にタイムリーを打たれたことは反省」。それでも「相手の特徴をより頭に入れて臨んだので、これで打たれたらしょうがないと割り切って」と大胆に攻めた。阿部監督も「何とか粘ってナイスピッチングだった」とたたえた。
憧れの地で勝利を挙げた。甲子園では救援での登板はあったが、先発は初めて。
ともにローテを守る先輩の存在が支えだ。登板前には今季、前後でローテを回る山崎と相手打者の研究を行うのが日課。ともに手術を経験しリハビリ時期もかぶっていた。「定期的に病院に行くんですけど、やっぱり一緒に通ったことが思い出。そういう時期って一緒に誰かと過ごすものではないので特別です」。つらい時期に励まし合ってきた右腕の存在は大きい。「目標にして尊敬していくべき人。成績でも追いかけていく存在ですし、追いつきたい」と背中を追う。
自身の快投で次戦先発の先輩へいい流れでバトンを渡した。「やっぱりやられてばっかりではいけないので、絶対にやり返そうと思って投げていました。