◆春季高校野球関東大会▽準々決勝 山梨学院6-2東海大相模(21日・ノーブルホームスタジアム水戸)

 東海大相模(神奈川2位)は山梨学院(山梨1位)に敗れ、4強入りを逃した。元巨人トレーナーの父・萩原彰紀氏を父に持つ萩原優真投手(3年)が4回途中から2番手救援。

3回1/3を5安打2失点(自責1)、6三振を奪う力投を見せ、夏へのさらなる進化を誓った。

 潔く敗戦を認めた。それでも心が熱くなる貴重な時間だった。強敵の山梨学院と公式戦でぶつかった2時間9分を、萩原はこう振り返った。

 「捕手と意思の合った投球ができていて、その中で打たれたのは自分の実力不足。山梨学院さんとできて、得られるものがあったので、夏までに絶対チームで課題を克服していきたい」

 1-4とチームが3点の勝ち越しを許した4回2死二塁、火消しのマウンドに立った。投げっぷりの良さが魅力。プロ注目の二刀流、3番の菰田陽生(2年)を空振り三振に仕留め、ピンチを脱出した。5回先頭から連打を浴びたが、後続を2三振で封じた。直球は最速138キロ。カーブとチェンジアップで打者のタイミングを外していく。そこから6回まで5者連続三振と波に乗った。

だが7回にバックの失策も絡み、3安打で2点を献上した。「もう一度出直して、夏に向けて頑張ってきます」と引き締めた。

 巨人で20年間、トレーナーを務めてきた彰紀さんからは「プロは自分がやるべきことを、自分から行動してやるんだ。やるべきことを自分で探すんだ」と助言された。理想の投手は、高校の先輩でもあるオリオールズの菅野智之。「菅野さんは全部の球に自信があるとおっしゃっていた。自分も自信を持って投げられるようにしたい」と目標にして、野球道を突き進む。

 1年秋に初めてベンチ入りしたが、2年夏は逃した。昨夏の甲子園では補助員を務め、「悔しかった」と素直な思いを吐露する。そこで見たのは1学年上のエース左腕・藤田琉生(現日本ハム)が背番号1の孤独に打ち克ち、奮闘する姿だった。

 「一人で淡々と投げていく姿が印象的でした。少しでも近づいていきたい」

 原俊介監督(47)も「思い切って投げられる。

縦のカーブが特徴的」と期待を口にした。「自分たちが目指すのは日本一。一戦必勝でやっていきます」と萩原。縦じまのプライドを胸に最後の夏、完全燃焼する。(加藤 弘士)

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