夏の全国大会である選手権大会に3度出場している山形東部ボーイズは「自立・自律」を目標に鍛えてきた。チームの軸は、捕手で主将の中村亘汰(かんた=3年)とエース・中村成仁(なるひと)投手(3年)のバッテリーで打線でも中軸を担う。
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山形東部は“中村バッテリー”がチームを支える。兄弟でもなく親戚(しんせき)でもないが息はぴったり。エースの成仁は「絶対にフォアボールは出さない気持ちで投げている」と制球力が持ち味。120キロ後半の直球に3種類の変化球を組み合わせて相手打者を手玉に取る。女房役の亘汰も「自信を持ってリードできるエース。マウンドに上がると安心できる」と胸を張る。
捕手の亘汰は冷静さと肩の強さが武器だ。立候補して主将を担い「自分からコミュニケーションを取って常に周りを見ることを意識している」と頼もしい。攻撃でも主に5番に座り、攻守で核となる。4番の成仁は「後ろにいてくれるので、つなぐイメージで気楽にいける」と攻撃でも信頼を置いている。
チームは冬場、個人の能力をしっかりとつけることを目標にした。コーチを経て昨年8月に監督に就任した柏倉聡監督(47)は冬場の練習について「まずは試合をこなすよりも、自分で考えて、一点集中で練習を頑張ろうと鍛えてきた」と明かす。スピード・瞬発系、体幹系、体作り系など、個人の課題に合わせて組み分け。それぞれに合った練習で弱点を消し、体幹を鍛えた亘汰は「パワーがついた感じがするし、安定感が出た」と成長を感じている。
理想の展開は守備からリズムをつくる野球だ。亘汰主将は「とにかく守備で守り勝ちたい。声を掛け合って勝利を目指す」と意気込めば、成仁も「プレッシャーはない。完封勝利をして貢献したい」と1点もやらない意気だ。頼もしいバッテリーが22年以来となる夏の全国大会への切符をつかむキーマンとなる。
◆第18回会津大会・関東大会東北南支部予選
▽1回戦(18日・押切川球場)
山形東部ボーイズ 113 000 3―8
喜多方ボーイズ 210 000 3―6
【東】中村成、佐竹―中村亘
【喜】伊藤、飯塚、長谷川蒼―中島飛
[二]加藤、中村亘2(以上東)長谷川蒼、中島飛(以上喜)
【VTR】山形東部は初回、中村成の右前適時打で先制。1点を追う2回には中野の犠飛で同点に追い付くと3回には中村亘の適時二塁打などで3点を加えた。7回には中村亘の適時二塁打、井上の犠飛、鈴木の右前適時打で突き放した。
【山形東部ボーイズ・部員】※は主将
▽3年生 ※中村亘汰、遠藤大志、大谷晴真、岡野栄純、加藤豪志、菊地承太郎、國井楓、佐竹朝光、須藤玲亜、中村成仁、仲野銀二、三澤智樹、山口楓、渡辺陽向
▽2年生 田中大葵、佐竹海夢、水戸煌聖、土屋穂乃佳、佐藤晨、鈴木莉久、茂木涼翔、遠藤一芯、小林幸輝、舟山煌斗、高嶋叶夢、埀石那巨、齋藤元太、梅津琉生、岩田善太郎、後藤稜仁、早坂湊、會田輝望、井上晴貴
▽1年生 山口琳、佐々木綜一朗、阿部幸太、遠藤順成、大沼來夢、関遥都、大場龍世、菊地悠聖、村山煌、沼澤朔、武田陸翔、伊藤大将、秋場海琉、日下部駿、齊藤大翔、伊東叶惺、巻侑聖、青柳翔空