◆日本生命セ・パ交流戦 2025 オリックス2x―1巨人=延長11回=(14日・京セラドーム大阪)

 巨人は延長11回の接戦の末、オリックスにサヨナラ負けを喫した。5回に失策絡みで先制点を献上。

8回に泉口友汰内野手(26)が宮城から同点打を放って延長に持ち込んだが、最後は中川の押し出し四球で昨季から同カード5連敗となった。13日に支配下登録され、「8番・DH」でプロ初スタメン初出場した三塚琉生外野手(21)は4打数無安打3三振。同一カード3連敗阻止へ、15日は戸郷が先発する

 接戦に持ち込んだが、勝利をつかみ取ることはできなかった。今季10度目の延長戦。最後は6番手・中川が11回に1死満塁を招くと、大城への押し出し四球で今季4度目のサヨナラ負けを喫し、3カードぶりの負け越しとなった。3勝6敗1分けで交流戦最下位に転落。阿部監督は「ピッチャーはほぼほぼ全員で頑張れたので」と受け止めた。

 先発・グリフィンらが10回まで1失点で耐えたが、相手先発はオリックスのエース・宮城。キレ味十分の直球に鋭い変化球、高い制球力を備える左腕を相手に、7回まで得点圏に走者を置いたのは一度だけだった。4番の丸は「タイプで言うとDeNAの東選手みたいな感じですかね。スライダーもしっかり曲がって、クロスの角度がすごくいい」と分析。自身は宮城に1安打1四球と対応したが、チームとして手を焼く時間が続いた。

 得点力不足の中、粘りは見せた。0―1の8回に2死からオコエが左翼線へ二塁打。泉口の左前同点打で試合を振り出しに戻した。9回1得点11三振に抑えられたが、「向こうも素晴らしい投球をしていたので、追いつけたことが収穫」と前向きに話した。

 好投手を相手に追いついただけに、振り返れば最初の1点が痛かった。5回にグリフィンが無死一塁から西川に右前打を許すと、右翼・キャベッジが処理にもたつき一走・頓宮に三進を許した。1死後、二ゴロの間に先制点を献上しただけに、もったいないミスだった。チームの今季失策数37は12球団ワースト。ロースコアで勝つことが勝利への近道となっている現状だけに、リーグ最少のシーズン58失策だった昨季のような守備力がより重要になる。

 若手が多い中、指揮官は前日13日に支配下登録した三塚を「8番・DH」で起用。左対左で、しかも宮城が先発だったが、「打てないと思って出してるからね。やっぱいい投手(の打席)に立ってほしいというのがあるから」と、一流と対戦することで成長につなげることを期待して送り出した。

結果は4打数無安打だったが、勝利を目指しつつ、勝負の秋へ、さらにその先の近未来へ種もまいた。

 長いシーズンの最初の分岐点となる交流戦。11三振で12球団最多19度目の2ケタ三振を喫し、オリックス戦はワースト更新の昨年から5連敗となった。阿部監督が「切り替えてあした頑張ります」と話せば、数少ないベテランの丸は「このまま負けて終われないですし、明日やり返せるように頑張ります」とチームの総意を代弁した。2年連続同一カード3連敗は避けるべく、意地を見せる。(田中 哲)

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