日本ハムの山崎福也投手(32)が16日、投打二刀流の活躍でチームを初の交流戦優勝に導くことを誓った。18日の巨人戦(東京D)に先発予定の左腕は、「全体的に流れを持っていかれないように」とまずは本業でのゲームメイクを念頭に置いた。

 それでも投げるだけでは終わらない。DH制が採用されないセ本拠地では、野手顔負けのバットにも期待がかかる。プロ通算打率2割5分(32打数8安打)を誇るが、「ヒットしか打ったことがないので、長打を打ちたい」とプロ初本塁打に色気を見せた。交流戦での投手の本塁打は、22年の小川(ヤクルト)が最後。パ・リーグの投手では、18年の上原(日本ハム)以来、7年ぶりの快挙となる。一発の出やすい東京Dは、格好の舞台になる。

 予兆もある。交流戦前の20日にエスコンで行ったフリー打撃では、約30スイングで13発。リーグトップ14発を放つレイエスから「あなたすごいパワーね」と日本語で絶賛された。また、「6番・投手」で出場した前回登板・7日のDeNA戦(横浜)では、右翼へ2点適時打を放ち、新庄監督から「しっかり間があるからついていける」と技術面を称賛された。

 前回から中10日でのマウンドだが、投手としての調整を優先し、打撃練習は素振り程度。この日もエスコンのマウンドで投球練習を行って最終調整し、空路で東京入りした。

対戦が見込まれる巨人・西舘のデータは「全然見ていない」とし、「無心で打ってやろうかなという感じ」と、自らのセンスを頼りにする。

 チームは15日の広島戦(エスコン)で7点差を逆転してサヨナラ勝ちするなど勢いに乗り、交流戦2位タイ。「投球も打席も楽しみながら」。新庄ハムの二刀流が巨人を撃ち、初の交流戦制覇を引き寄せる。(川上 晴輝)

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