◆日本生命セ・パ交流戦 2025 中日6―3オリックス(18日・バンテリンドーム)

 中日・涌井に笑顔はなかった。「自分の力で勝ちたいけど、2回連続で勝たせてもらった。

また調整したい」。5回6安打3失点と苦しみながら、今季4勝目。交流戦歴代2位に並ぶ27勝目を挙げてから中6日で28勝目をつかみ、単独2位に躍り出た。チームの連敗も3でストップした。

 3回までわずか1安打。しかし4回に西川の左翼適時打で先制を許すと、4点の援護を受けた直後の5回も代打・西野、宗、太田の3連打で2点をかえされた。ここで主軸の森、杉本を打ち取り、なんとか1点のリードを死守。新人・石伊とのバッテリーで失点を重ねながら、「逆転されなかったところで勝ち星がついた」と、息をついた。井上監督も「そこが長く野球をやれている理由」と評価した。

 交流戦最多勝利はヤクルト・石川の29勝。「上には上がいる。石川さんに負けないように」と、来季の目標の一つになった。

西武、ロッテ、楽天とパ・リーグを渡り歩いてきた38歳。その視界に、頂点がはっきりと映った。(森下 知玲)

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