マリナーズ傘下の3Aタコマから自由契約になっていた藤浪晋太郎投手(31)が、DeNAに入団することが決まった。14日(日本時間15日)、スコット・ボラス代理人が、MLBオールスターの会場で取材に応じ、認めた。

 藤浪は今季、マリナーズとマイナー契約。キャンプはアリゾナ州ピオリアのメジャーキャンプに招待選手として参加し、オープン戦では8試合に登板して7回2/3を投げて12四死球と課題の制球力を克服できずに防御率5・87とアピール出来ずにマイナーで開幕を迎えた。

 マイナーではリリーフとして開幕からフル回転。4月終了時点で10試合に登板して防御率12・38と結果を残せずにいたが、5月は7試合に登板してわずか失点は「1」のみの防御率1・35と復調の兆しを見せていた。6月も4試合に登板して1点も失うことなく8登板連続無失点とメジャー昇格へ向けてアピールを続けていたが、6月17日(同18日)に自由契約となったことが発表された。

 代理人を務めるスコット・ボラス氏は7月2日(同3日)に取材に応じた際に「(米国内の)私たちの施設でトレーニングをしている。様々なチームと連絡を取り合って、フィットするチームを探している」と話し、日米を問わず新天地を模索していることを明かしていた。

 昨季日本一に輝いたDeNAだが、今季は投打がかみ合わず勝率5割前後という辛抱の戦いが続いている。リリーフでは伊勢、入江、ウィックらが存在感を示しているが、山崎、森原、三嶋ら本来は勝ちパターンを担うべきベテランが力を発揮出来ずに2軍での調整が続き、後半戦へ向けては投手陣の立て直しが急務だった。打者では昨季もプレーしたフォードを再獲得。昨季まで中日でプレーしたビシエドの獲得調査を勧めるなど、積極的に戦力整備へ動いている。

 22年まで阪神でプレーし、ポスティングシステムを使って23年からメジャーリーグに飛び込んだ藤浪。

米1年目だった23年は、アスレチックスの先発ローテの一角として開幕を迎えたがリリーフに配置転換され、シーズン途中にはオリオールズに移籍してポストシーズン進出にも貢献し、64登板で7勝8敗2セーブ、防御率7・18だった。

 24年はメッツと契約もメジャー登板はなく、マイナーで33登板し1勝2敗1セーブ、防御率5・94だった。今季は新球のツーシームにも挑戦するなど、新たな投球スタイルにも取り組んでいた。24年以降はメジャーでの登板はかなわなかったが、3年ぶりに日本球界に復帰する。NPBで阪神以外のユニホームを着るのは初めて。首位を走る古巣を追いかけるべく、新天地に飛び込む。

 ◆藤浪 晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年4月12日生まれ。大阪府出身。31歳。大阪桐蔭3年時に甲子園春夏連覇。2012年ドラフト1位で阪神入団。15年に最多奪三振。

17年WBC日本代表。阪神では189登板で57勝54敗、防御率3・41。23年に年俸325万ドル(約4億2000万円=当時のレート)+出来高でアスレチックス入りした。197センチ、98キロ。右投右打。阪神最終年の23年は年俸4900万円。

編集部おすすめ