ドジャース・大谷翔平投手(31)が15日(日本時間16日午前9時)に米ジョージア州アトランタで行われるオールスター前日の14日(同15日)、恒例行事の囲み取材に応じ、家族から二刀流まで、約16分間、自身の思いを語った。5年連続5度目の球宴はナ・リーグの「1番・DH」で先発するが、当日は妻・真美子さん(28)と、4月に生まれた長女も来場。
少しだけ表情を緩めた。1年に一度の球宴。大谷が本塁打への色気を示すのは、シーズンでこの日だけだ。
「もちろんホームランを含めてヒットを打てたらうれしいですし、素晴らしい投手たちが相手なので、まずは自分のスイングを打席の中で見せられればいい」
4度目の出場だった昨年、通算8打席目にしてようやく初本塁打も、ナ・リーグは逆転負け。日本人では07年のイチロー(マリナーズ)以来のMVPを逃した。今年は「1番・DH」でスタメン。2年連続の本塁打なら、95、96年のM・ピアザ(ドジャース)以来29年ぶりの快挙となり、初のMVPも見えてくる。
モチベーションを高めてくれるのはファミリーの存在だ。今年も大勢の報道陣に囲まれた、恒例の囲み取材。試合前に行われるレッドカーペットショーには昨年に続いて「妻と歩きます」と、真美子夫人とともに登場する予定であることを明言。4月に誕生した第1子の長女と、愛犬のデコピンもアトランタ入りしていると明かした。
「来てはいます。どこかで見るのかなとは思いますけど、一緒には(出ない)。まだ歩けないので」
“お披露目”は来年以降にお預けとなったが、まな娘への愛情は、ストレートに表現した。
「家に帰って顔を見るだけでうれしいですし、それだけで一日の疲れとかもなくなりますし、それが一番幸せだと思います」
本拠地の試合で自宅で過ごすときは、こだわってきた睡眠時間を削ってまで子育てに参加しているという、ほほ笑ましいパパの一面ものぞかせた。
「基本的には(ナイター前の)午前中にお風呂に入れたりとか、帰ってきた後は僕が面倒を見る感じ」
前半戦は長女誕生に伴って父親リスト入りした2試合を除く、95試合に先発出場。6月に投手復帰して5登板しながら、リーグ最多の32本塁打を放った。3年連続のMVP&本塁打王へも順調に前進している。後半戦は二刀流もより本格化していく見込みだ。
1回裏の1打席目に対戦するのは、昨季のサイ・ヤング賞左腕で今季もすでに10勝を挙げているタイガースのスクバル。過去9打数1安打と苦しめられている大谷は、苦笑いだった。
「できれば対戦はしたくないですけど(笑)。勢いにまずは負けないようにしたい」
この日もチームの打撃練習前にキャッチボールをこなした。
◆大谷の24年球宴 最終投票で4度目の出場が決定。レンジャーズの本拠地、テキサス州アーリントンで開催された。試合前のレッドカーペットショーでは、愛犬デコピンが裏地にプリントされたスーツを着て、真美子夫人と手をつないで登場した。試合は「2番・DH」で出場。2打席目に右翼へ球宴初アーチとなる先制3ランを放った。3打席立ち、2打数1安打3打点もナ・リーグが3―5で逆転負けし、MVPは逃した。