◆第107回全国高校野球選手権南北海道大会 ▽1回戦 苫小牧中央5―0札幌新川(11日・札幌円山)
札幌新川は、苫小牧中央の左腕・渡辺大仁投手(3年)を攻略できず0―5で完封負け。1回戦で姿を消した。
ベンチを盛り上げたのは、副主将の一打だった。8回、代打で登場した田中勇生内野手(3年)が、鋭くセカンドの頭上を越える右前安打。「打ったときは放心状態。ベンチに帰ってきた後、みんなが喜んでくれて、その姿を見てすごくうれしかった」と振り返った。
昨秋には練習試合で死球が顔面を直撃。左の眼窩底(がんかてい)骨折で手術も受けた。1か月半の離脱を余儀なくされたが「万全な状態になるまでは休もうというので、お休みをもらって1か月半ぐらいからはよくなってたので、そこから復帰できました」。視力などへの大きな影響もなく、グラウンドに帰ってきた。
宮崎純也監督も「田中は副キャプテンなので、キャプテンを支えてきた田中、チームを支えてきた田中がこの流れを変えてくれると信じて出した。彼は何をやっても一生懸命やる子。3年間で一番いい右打ちの、一番いいバッティングだったんじゃないかと思う。神様が彼の努力を見ていてくれたんだなと思いました」と称賛していた。