◆JERA セ・リーグ DeNA1―2巨人=延長11回=(11日・横浜)
打球が上がった瞬間、山崎は声を上げてうなだれた。0―0の2回無死。
それでも崩れなかった。7回5安打1失点。0―1の8回に代打を送られ降板となったが、この回に味方が同点に追いつき黒星が消え、「守備に助けられながら粘り強く投げることができました」と振り返った。内海投手コーチが「いつも通りの伊織ではないように見える」と言ったように高めに浮き、強い打球が目立った。三振はわずか2つ。本調子でないながら粘り、同カード7連勝中のDeNAキラーぶりを見せた。
例年、夏から失速傾向にあるが、「今年はトレーニングをやって結果につながっていると思うし、やることはできている」と胸を張る。その一方、「キャンプから体重が6キロぐらい減って今は80キロぐらい」と増量がテーマだ。「こまめに間食を取ることを心がけてる。おにぎりやバナナとかエネルギーが多いものを」と酷暑を乗り切るため試行錯誤している。
「ちょっとキレがなかった。それでも粘ってなんとか長いイニングを投げられたので、こういう時に投げられるようにこれからも頑張りたい」。15試合で今季8度目のハイクオリティースタート(7回以上自責2以下)。エース格として役割を全うし続ける。(水上 智恵)
堀内恒夫Pointo 山崎が牧に打たれた一発は、初球のカットボールが甘く入った失投。失投は誰にでもたまにはあるが、相手の先発も防御率1点台のケイ。先取点は与えたくなかった。安定感が出てきてここまで8勝。戸郷が不振で2軍暮らしをしている今、エース格と言える男だからこそ、あえて厳しく言うんだが、エースは勝たなきゃダメ。7回1失点ならハイクオリティースタート(7回以上で自責2以下)というらしいが、俺にはなんだか、慰めの言葉にしか聞こえないんだがね。(スポーツ報知評論家・堀内恒夫)