全国高校野球選手権静岡大会は、昨夏優勝校・掛川西や今春センバツ出場の常葉大菊川などシード校が登場し、12日と13日に2回戦各16試合を行う。8年ぶりに初戦を突破した静岡農は、13日にシード校の東海大静岡翔洋と対戦。

1回戦ではスタメン9人のうち5人が身長160センチ台だった小兵軍団が、1993年以来32年ぶりの夏2勝へジャイアントキリングを誓った。

 初戦で快勝した静岡農の前に、大きな壁が立ちはだかる。3回戦進出を懸けた相手は東海大静岡翔洋だ。春夏通算で甲子園に9回出場し、夏の県大会は過去4年間で2度準優勝。一方、静岡農は昨秋、今春ともに県予選で初戦敗退し、春と秋を通じて県大会本戦に進んだ経験はない。萩原颯信中堅手(3年)は「目標の初戦突破ができてホッとしましたが、満足せず次も全力でぶつかりたい」と気合を入れ直した。

 6日の1回戦・榛原戦(7〇2)で活躍したのは、2失点(自責1)完投した162センチ右腕・飯田結羽(3年)と、初回先頭で安打を放ち3得点の流れをつくった161センチの萩原。スタメン5人が身長160センチ台と小柄なチームだが、50メートル6秒1の俊足を誇る萩原は「背は高くない分、俊敏性を生かした守備範囲の広さ、鍛えてきた選球眼で長打も狙えるのが強み」と胸を張った。

 梅原幸正監督(57)は「翔洋の選手らとは体格の差があるが、彼らには物おじしない強さがある」と頼もしげに見つめた。萩原、飯田の1、2番コンビに続き、164センチの高橋昊汰三塁手(3年)が3番を務める。163センチの鳥居咲次郎二塁手(3年)は7番に入った榛原戦で、左翼方向へ強い打球を引っ張る三塁打を放った。

  昨秋から選手主体で練習メニューを決めるスタイルに変更。

副主将の萩原と飯田が、主将の細川泰雅左翼手(3年)とともに考えている。「昨年は守備に課題があった」と萩原。チームで弱点への意識を徹底したことが夏1勝の要因になったと捉えている。

 3回戦に進めば2回戦が初戦だった95年以来で、夏2勝なら93年以来32年ぶりとなる。最速120キロでシード校に挑む飯田は「厳しい戦いだが、自分たちがやってきたことをぶつけるだけです」と宣言。小兵軍団が力を結集して“金星”をつかみ取る。

(伊藤 明日香)

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