◆米大リーグ ジャイアンツ―ドジャース(11日、米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が11日(日本時間12日)、敵地・ジャイアンツ戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、1点を追う3回1死三塁の2打席目に2試合ぶりの本塁打となる32号を放った。打球は右翼スタンドを超える「スプラッシュヒット」となった。

 圧巻の一打だった。ジャイアンツのエース右腕・ウェブのカットボールをジャストミートした。打球速度106・0マイル(約170・6キロ)、打球角度30度で飛び出したアーチは飛距離410フィート(約125メートル)で右翼席を通過して場外に飛び出していった。ジャイアンツの選手以外は「スプラッシュヒット」とは正式認定されないが、球場外の海へと飛び込んでいった。

 2000年にサンフランシスコのオラクルパークが開場してから、名物になっている右翼後方のマッコビー湾に飛び込む場外弾「スプラッシュヒット」。海上では場外弾のボールを目当てにボートで待機するファンもおなじみの光景だ。「スプラッシュヒット」に正式認定されるのはジャイアンツの選手のみで、これまで106本が認定されている。

 ビジター選手では7月8日(同9日)にフィリーズのシュワバーも放っており、大谷が65発目。通算171本目で、ドジャースの選手では21年5月22日(同23日)のマンシー以来、4年ぶり9本目となった。ジャイアンツ以外のチームで9本はダイヤモンドバックスの8本を上回って最多。ちなみに、大谷が23年まで所属したエンゼルスの選手はこれまで1本もない。歴代最多は通算762本塁打のバリー・ボンズが記録した35本だ。

 大谷の本塁打は、8日(同9日)の敵地・ブルワーズ戦で最速165キロの怪物新人右腕・ミジオロウスキーから中堅右へ31号先頭弾を放って以来2試合ぶり。あす12日(同13日)にデーゲームで先発登板も予定されている中で弾みをつけるアーチにもなった。

 6月中旬に投手復帰してからはやや打撃の調子が落ちて本塁打のペースも落ち気味ではあったが、8日(同9日)の試合後には「しっかりボール球は自体は見極められているかなと思う。そういう打席が増えてくれば、ヒットにはおのずと近づいてくるのかなと思うし、ホームランも出てくると思う」と復調への手応えを口にしていた。前半戦はこの試合を含めて残り3戦だが、勢いに乗ってきた。

 5月は月間15本塁打を放って月間MVPを受賞。得意の6月も勢いを維持するかに思われたが、投手復帰のタイミングが重なったこともあってか、月間7発にとどまり、ペースを落とした。7月はここまで10戦3発。すでに15日(同16日)のオールスター(アトランタ)の出場も決まり、投手としてもイニング数が増えていくことが濃厚だが、3戦2発で調子は上向いてきた。

 シーズン95試合目での32号は、レギュラーシーズン162試合に換算すると、54・6発ペースとなり、自己最多で2年連続の本塁打王となった昨季の54発とほぼ同じペース。前半戦での32発は、エンゼルス時代の23年に並び、21年の自己最多33発にも王手をかけた。

 ◆大谷の年度別本塁打数(★は本塁打王)

 ▽18年 22本

 ▽19年 18本

 ▽20年  7本

 ▽21年 46本

 ▽22年 34本

 ▽23年 44本★

 ▽24年 54本★

 ▽25年 32本

 ◆大谷の前半戦の本塁打

 ▽18年 7本

 ▽19年 14本

 ▽20年 球宴なし

 ▽21年 33本

 ▽22年 19本

 ▽23年 32本

 ▽24年 29本

 ▽25年 32本

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