◆第107回全国高校野球選手権富山大会 ▽2回戦 高岡商3―1高朋(12日・砺波)

 3年ぶりの優勝を狙う高岡商が、3―1で高朋を下し、3年ぶりの初戦突破を果たした。実力校同士の好カードで、最速144キロのエース左腕、岡田一桜(3年)が6回まで5安打、7三振で無失点と好投。

7回から登板した141キロ右腕、川口優人(3年)も力投し、3―1の9回一死満塁の大ピンチも、最後は気迫の投球で二ゴロ併殺に仕留めた。高岡商は22度の夏甲子園出場を誇るが、一昨年、昨年と2年連続で初戦敗退。選手たちの重圧も大きかったが、見事に呪縛(じゅばく)を解いた。吉田真監督は「夏の初戦は難しい試合になる。最後まで苦しい場面が続いたが、よく粘ってくれた。プレッシャーから解放させてあげられました」と明るい表情を浮かべた。

 この試合が行われた砺波球場は2年前の落雷でスコアボードが故障したが、それをきっかけに寄付を募ってリニューアルし、今年3月に完成。地元団体や野球関係者だけでなく、砺波市出身のユーチューバ―、はじめしゃちょーも寄付を行った。フルカラーLEDの高精彩画面を備え、最新のスピードガンも設置。画像解析による計測で、従来のレーダー式に比べて精度も向上した。この日は計測漏れもなく、的確なタイミングで表示し続けた。

 先発の岡田は「球速を見て自分の調子がわかる。

今日はいつも通りのアベレージでした」。途中登板の川口は「(ほかの球場では)球速表示にアレッと思うこともあるが、正確だったので気持ちよく投げられました」と自己最速タイの141キロをマークし、関係者に感謝した。

 砺波球場は芝生も青々として美しく、内野グラウンドの整備も行き届いており関係者にも好評だ。吉田監督は「スコアボードも新しくなって、ますます好きな球場になった」と話せば、川口は「砺波地区に住んでいますが有り難いです。次は自分で試合の流れを作りたい」と闘志満々。地元の後押しを受け、リニューアルした同球場から再スタートを切った。(中田 康博)

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