◆第107回全国高校野球選手権群馬大会 ▽2回戦 前橋工3―2高崎北(12日・上毛新聞敷島)
高崎北が前橋工との接戦に敗れ、3ー2で敗戦した。
初回から得点を重ね、3回まで2点をリード。
高崎北は3年生マネジャーの田辺悠楠(はな)さんが試合前のシートノックでノッカーを務めた。小2から野球を始め、中3まで選手としてプレー。高校ではマネジャーとして選手を支えた。
練習では自身の野球経験を生かし、ノックを打っていた田辺さん。手にはいくつものマネができていた。当初は捕球練習のみノックを行う予定だったが、監督から「シートノックも打てるんじゃないか」と言われたことをきっかけに挑戦。今春の県大会からノッカーを務め、この夏も選手からプレゼントされたバッティンググローブを手に2試合で務めた。
ノックをしていると選手の変化もよく分かるという。「(夏の)1回戦はミスも多くて緊張しているなと感じたが、2回戦は落ち着いていた」。その言葉通り、序盤は優位に試合を運んだ。
試合後、田辺さんは「悔いが無いとは言えないですが、選手が戦っている姿を最後までベンチから見ることができて良かったです」と悔しさをにじませながらも達成感を口にした。3年間、共に歩んできた仲間に「『ありがとう。お疲れさま』と声をかけたいです」と感謝した。
今後については何も決めていないという。「自分が選手の時は支えてくれる人を実感できていなかったけれど、マネジャーになって陰で支えてくれる人の存在を実感した。高校でシートノックできた事を忘れずに今後も頑張りたいです」。10年間の野球で得た学びを胸に、新たな一歩を踏み出す。(高澤 孝介)