◆第107回全国高校野球選手権和歌山大会▽2回戦 星林6―5和歌山東(12日・和歌山市紀三井寺)

 和歌山は、ソフトバンク・小久保監督の母校で今春の県大会で準優勝した星林が、和歌山東との好カードを接戦で制した。

 土まみれの主将が窮地を救った。

5点リードの9回だ。星林はエース右腕・則藤瑞起が3連打で1点を返され、さらに無死一、三塁とされると、田中代地中堅手(ともに3年)が救援のマウンドに向かった。「5回から準備はしていた。やっと出番が来た」。ただ、相手は昨秋の県大会準Vの強豪。中越えの2点三塁打と、1死後の中越え適時打で1点差に迫られた。

 「気持ちだけは絶対に勝つ。キャプテンとして最後の責任を全うする」。ソフトバンク・小久保監督の母校でもあり、今春の県大会で準優勝。空振り三振と投ゴロで何とかリードを守り抜き、雄たけびを上げた。

 6回まで66球、散発3安打で無失点と快投を続けた則藤は7回に両足がつり、終盤一気に崩れた。「迷惑をかけた。

申し訳ない」と田中に駆け寄って感謝。打っては初回の先制につながる右前打など2安打の主将は19日の3回戦・耐久戦に向け「ロースコアで勝てるチームではない。チームとしてここは絶対というところで、1点を必ず返す」と打撃戦を決意した。(松ケ下 純平)

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