◆JERAセ・リーグ 中日7―1広島(12日・バンテリンドーム)
9回、大きな拍手に迎えられた。中日・大野雄大投手(36)がマウンドを守り切った。
4日のヤクルト戦(バンテリンD)では、無失点で迎えた9回に左ふくらはぎがつって降板。「きょうもつりかけたけど、何とか」と108球を投げ抜いた。8回まで二塁を踏ませない投球。全盛期の直球とツーシーム、フォークでの組み立てに加え、横の変化も駆使した。「それが生きた」と新人捕手の石伊に感謝。自身3連勝で5勝目だ。
沢村賞に輝いた20年は20登板で10完投の左腕も、過去2年は7回が最長。23年に左肘手術もあり「もう(完投)できひん(できない)と思いました」とこぼした。
左腕エースの大先輩で、若手時代のコーチである今中慎二氏に並ぶ通算91勝目に「完投しまくった今中さんに、完投で並べてうれしい」と笑顔。チームとしては、今季82試合目で初の完投勝利だ。最近13試合は大野以外の先発投手に白星がないが、3連勝で8カードぶりの勝ち越しを決め、逆襲ムードをつくった。(安藤 理)