◆JERA セ・リーグ DeNA0―3巨人(12日・横浜)
巨人が鮮やかな先制攻撃で主導権を握り、DeNAに連勝した。試合開始直後に1番・丸が右翼線三塁打を放つと、2番・佐々木俊輔外野手(25)が適時二塁打。
臆することなく佐々木は仕掛けた。先頭の丸が右翼線への三塁打で出塁し、初回無死三塁で迎えた絶好機。初球だ。「初球からいけなくて結果が残せなくて(2軍に)落とされていた。打てると思った球はいこう」。真ん中高めのスプリットを逃さなかった。今季初打点となる右中間フェンス直撃の適時二塁打。
Hランプをともし続けた。2回1死では快足を生かして二塁への内野安打。さらに5回先頭では左前へ運び、リチャードに勧められたという愛称のジョージにちなんだ“おさるのポーズ”を決めた。昨年4月28日のDeNA戦(横浜)以来となる今季初の猛打賞。阿部監督が「代打でいい働きをしてくれているので抜てきした」と説明した2番でのスタメン起用に見事に応えた。
壁にぶち当たってきた。昨季は開幕スタメンを勝ち取りながら、シーズン中盤以降は1軍と2軍を行き来きする日々。59試合で打率2割3分1厘、0本塁打、6打点に終わった。
浮上の転機は今季2度目の降格直後だった。6月11日に出場選手登録を抹消。そのタイミングで矢野2軍打撃チーフコーチに言葉をかけられた。「(打席で)ガツガツいき過ぎなんじゃないかな」。結果を求めるあまり、冷静さを欠いていたことに気づかされた。「打ちたい打ちたいとなってブンブン振り回していた」。好機で力み倒していた己を見つめ直せた。技術面でもバットを内側から出して中堅から逆方向へ打つ意識を再徹底。ボールを捉える確率と追い込まれてからの対応を向上させた。
チームは11試合ぶりの2点差以上の白星で2連勝。現状、外野のレギュラーは丸だけで残りの2枠は流動的となっている。同じ左打ちの外野手の乙坂の入団が決定し、フルプが支配下昇格。若林も実戦復帰を視界に捉えており、群雄割拠の争いとなりつつある。「代わりはいくらでもいると自覚して毎日必死でやっていきたい」と引き締めた背番号44。もう止まらない。確固たる居場所を築いていく。(宮内 孝太)