◆第107回全国高校野球選手権静岡県大会 ▽2回戦 浜松城北工1-3掛川西(12日・掛川球場)

 2回戦16試合が行われ、この日に登場したシード8校はすべて勝利を飾った。夏連覇を狙う掛川西は、浜松城北工に3―1で勝利。

4番・石原凪右翼手(3年)が左越え2点適時二塁打を放つなど、順当に3回戦に進んだ。

 掛川西が昨夏と同じく初戦(2回戦)で浜松城北工を撃破し、連覇を目指すチームにとって、縁起の良い発進となった。1点リードで迎えた5回、4番・石原が勝負を決めた。2死一、三塁の場面でスライダーを捉え、左越えの2点二塁打。前の2打席は凡退しており、「やっと打てました」と笑顔を見せた。

 大石卓哉監督(45)は、終盤に勝ち越した同じ掛川球場での昨年の初戦(2―1)を振り返りながら、「去年は苦しいスタートだったが、経験している選手が多いので、きょうは接戦でもいつも通りだった」と余裕があったことを明かした。

 殊勲打の石原は出場こそできなかったが昨夏の甲子園メンバーで、今春から4番を務める。「春は重みを感じたが、心に来るものがあって、夏も打ちたかった」。主砲の座を渡さないため、プロ注目の石川大峨内野手(3年)に負けじと下校時間ギリギリまでバットを振り続けてきた。最近まで主に7番だったが、169センチの大砲は1週間前の練習試合で4番に復帰した。

 優勝候補として注目が集まる中、スタンドには全校生徒の半数以上となる500人以上が駆けつけた。試合前ノックから応援歌「第二校歌」が流れ、「夏が始まる」ことを実感した。

思い出すのは1学年上の山下陸人前主将などから「楽しむのを忘れずに」と送られてきたメッセージ。次戦は19日の城南静岡戦。高校最後の夏を楽しみながら「自分たちができることに目を向けたい」と闘志を燃やした。

(伊藤 明日香)

 〇…浜松商は吉原工に12-4(7回コールド)。伊原祐翔捕手(2年)が、3回2死満塁からの逆転2点適時打を含む2安打4打点の活躍を見せた。7番打者として「あまり打てる方ではないので、うれしい」と1試合での自己最多打点を喜んだ。先発した1年生右腕・原煌雅が2回に4失点して降板したが、先輩として見事、カバーした。昨年のベスト8を超える優勝に向けて、次の浜松西戦も一戦必勝で臨む。

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