◆第107回全国高校野球選手権 北北海道大会 ▽1回戦 釧路江南1-4士別翔雲(12日・旭川スタルヒン球場)

 北北海道大会が開幕し、3年連続で開幕戦に登場した士別翔雲は、最速145キロ右腕・大橋広翔(3年)の投打に渡る活躍で釧路江南を4―1で撃破した。

 128球を投げ抜いた士別翔雲・大橋広は、右拳を力強く握った。

失点は失策が絡んだ4回だけ(自責0)で、許した安打はわずか1。地区代表決定戦から2試合連続完投勝利に「野手に頼りながら投げられたのが良かった」と汗を拭った。

 名前と背番号が入った3年生おそろいの黄色い勝負パンツをはき、マウンドに上がった。「ストライク先行で攻められる機会が少なかった」と反省しながらも、序盤3回を無失点。7回2死から中前打を許すまで無安打投球を続けた。同点の8回には無死一、三塁から左前適時打を放ち、自らのバットで勝ち越しに成功。8、9回は無安打無失点で締めた。

 3年連続の開幕戦。試合当日の午前4時半に学校を出発していた過去の経験を踏まえ、今年は前日に旭川の隣町の比布(ぴっぷ)町に宿泊した。昨年より1時間ほど出発時間が遅くなり「元気な状態で入ることができた」と大橋広。1993~95年の帯広南商以来30年ぶりの開幕戦3連勝に、渡辺雄介監督(43)も「1年生から出ている子も多いので、慣れたものです」とうなずいた。

 エースは士別市出身。

全道10地区で唯一甲子園に届いていない名寄地区の悲願をかなえるために地元の公立校に進学しており「絶対に優勝して優勝旗を勝ち取る」と誓った。初の頂点まで、あと3勝。“幸せの黄色いパンツ”とともに、最後まで1人で投げ抜くつもりだ。

(島山 知房)

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