◆第107回全国高校野球選手権南北海道大会 ▽準々決勝 札幌大谷7-4知内(12日・札幌円山球場)
南北海道大会は準々決勝で、札幌大谷が知内に7―4で競り勝ち4強一番乗り。岩渕英晃(3年)、磯貝栄心(2年)の右腕継投で3年ぶりに準決勝へ進んだ。
札幌大谷が気迫の投手リレーで“エスコン行き”の切符をもぎ取った。2点を失いリードが3点に縮まった8回2死二塁。一打出れば流れが一変しそうなピンチにも磯貝は冷静だった。遊ゴロに仕留めると雄たけびを上げた。最速143キロ右腕は「最後は自分しかいないので、全力で抑えてやると思っていた」と胸を張った。
先発の岩渕も7回までは得意のフォークと直球を主体に4安打2失点に抑えた。常に食らいついてくる知内打線に対し「力任せになった」と8回に捕まり、3本の長短打などでさらに2失点。磯貝にマウンドを託すまで127球を投じた。
五十嵐大監督(38)は開口一番「本当に苦しかった」と語り、投手陣について「岩渕は初回の先頭打者に粘られるなど球数は多くなったが、何とか乗り切ってくれた。磯貝も気持ちを入れて投げてくれた」と褒めたたえた。
4強入りは夏の甲子園初出場を果たした2022年以来3年ぶり。当時、札幌大谷中3年だった岩渕は聖地で観戦していた。
準決勝、決勝が行われるエスコンは、チームにとっても初の舞台。磯貝が「行ったことすらないのでプレーできるのが楽しみ」と無邪気に語れば、岩渕は「あのマウンドに登ったら鳥肌が立つと思う」と闘志を燃やした。2度目の夏の甲子園を目指し、二枚看板で勝ち上がる。(飯塚 康博)
★知内・高草木穣監督(初回に2失策が絡み2失点)「守りで勝ってきてるのに、守りで自分たちから崩れた。リズムに乗れなかった」