◆第107回全国高校野球選手権 静岡大会 ▽2回戦 常葉大菊川7―2静清(13日、掛川球場)

 静清のプロ注目左腕・内藤優央(まお、3年)の夏が終わった。今春のセンバツに出場した強豪・常葉大菊川戦で先発したが、4回0/3を6安打4四死球6失点でマウンドを降りた。

2回に3点を失いながらも3、4回は無失点で踏ん張った。しかし5回先頭に四球を与えると、2連打を浴びて降板。それでもベンチでは、最後まで仲間を応援するために声を出し続けた。

 試合後には「やりきれない。自分が打たれて負けた」と涙はなかったものの、悔しさをにじませた。普段は打たせて取る投球術を披露する184センチ左腕は「バットに当たれば打たれるし、完敗でした」と言葉を続けた。最速145キロを誇る直球も、この日は136キロにとどまり、本来の力を出し切ることはできなかった。長田仁志監督は「今できることを精いっぱいやってくれた。最後に得点を取られてしまったが、尻上がりに良くなっていた。いいボールを投げていた」と健闘をたたえた。

 今春の静岡県大会では、焼津中央戦で8回19奪三振の快投を見せ一躍注目の存在になった。しかし大会後に背中の違和感により離脱。

6月21日の県大会組み合わせ抽選で、2回戦の相手が常葉大菊川と決まった際には「投げるなら自分しかいない」と、エースとしての自覚を見せていた。中継ぎでの復帰となった6日の1回戦・池新田戦(7〇0)の1週間前に、ようやく実戦登板が可能な状態まで回復した。

 この日は巨人とソフトバンクのスカウトが視察に訪れており、ソフトバンク・宮田善久スカウトは「将来性がある」と評価した。今後の進路については「周りと相談します」と、大学進学かプロ志望かの選択を前に慎重な姿勢を見せた。

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