◆第107回全国高校野球選手権大阪大会▽2回戦 大院大高10―0門真なみはや=6回コールド=(13日・GOSANDO南港)
大阪では、大院大高が6回コールドで初戦を突破した。鶴丸巧磨遊撃手(2年)やスーパー1年生・林将輝一塁手らの活躍で、昨夏初戦敗退の雪辱を果たした。
屈辱を打ち砕いた。昨夏は初戦敗退だけに、辻盛英一監督(49)は「(初戦が)めちゃくちゃ嫌でした」と本音がポロリ。指揮官の不安をよそに、ナインは12安打10得点と大暴れした。「去年は勝たないといけない雰囲気があった。今年は比較的、リラックスして入れた」と、2年ぶりの夏1勝をかみしめた。
「とはいえ、1、2回はがっちがちでした」と指揮官。火を付けたのは、1年生の林だ。北海道出身で、昨年のU―15W杯では日本の初優勝に貢献。投げては最速146キロを誇り、多数の強豪校から進学の誘いがあった逸材だ。「あれ(決勝)以上、緊張することはない。まずは自分が打たなくては」と、0―0の3回先頭、左越え三塁打を放って、その後に先制ホームを踏んだ。昨夏は1安打に終わった3番・鶴丸も、2安打2打点2盗塁と躍動。
昨年は、春季府大会で履正社と大阪桐蔭を破って初優勝した。夏はV候補として臨み、重圧にのまれて初戦で同志社香里に1―2で敗戦。主将の今坂(現オリックス)は、その場で泣き崩れた。ただ一人、スタメン出場していた鶴丸は、「あれは忘れられないです」と回顧。春は体調不良でベンチを外れたが、「先輩たちの分も」と間に合わせた。前日12日、今坂から届いた激励のLINEに最高の結果で返した。
昨秋は府3位で近畿大会で1勝したもののセンバツは逃し、大阪勢は98年ぶりに出場ゼロとなった。今春は5回戦で履正社に3―4で惜敗した。「この夏は(大阪桐蔭と履正社の)2強を倒して、甲子園に行きたい」と鶴丸。不屈の意志で、栄光の頂を奪う。(瀬川 楓花)