◆JERAセ・リーグ 阪神2―1ヤクルト(13日・甲子園)

 阪神・佐藤輝の6回の先制2ランは、角度も打球の速さも申し分なかった。ただ、彼の潜在能力であれば、甘く入ったチェンジアップなら、これぐらい飛ばすだろうというのが正直な印象だ。

 むしろ成長を感じたのはその前の2球にある。2ストライクと追い込まれた後、4球目のつり球にバットを止め、5球目のワンバウンドのカーブもきっちりと見極めた。昨年までなら、どちらかに手を出して三振に倒れていたケース。スイングを仕掛けた上で、やめる技術が身についてきた。

 最後の森下の返球も、本塁打に匹敵するような価値があった。落下点に素早く入って助走を取り、完璧なストライク送球。基本に忠実な、お手本のような守備だった。9回1死一塁での小幡の失策が帳消しとなり、伊藤将の白星、岩崎のセーブとみんなを救うビッグプレー。これがチームの結束につながるのだ。(スポーツ報知評論家)

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