◆第107回全国高校野球選手権沖縄大会決勝 沖縄尚学9―1エナジックスポーツ(13日・沖縄セルラースタジアム那覇)
沖縄で全国のトップを切って決勝が行われ、沖縄尚学が2年ぶり11度目の夏の甲子園出場を決めた。2年生エースとして今春センバツでも好投した末吉良丞が、4安打1失点で完投。
琉球の地で一番星が輝いた。気温32度。熱風が起こした砂ぼこりの中で、沖縄尚学ナインが一塊になって歓喜の輪を作った。その中心で末吉が天に向けて左腕を突き上げ、喜びを爆発させた。「しっかり夏を勝ちきって、うれしい気持ちでした」。4安打1失点9奪三振の138球完投。春夏連続甲子園の立役者は、まぎれもなく2年生エースだった。
エナジックスポーツには昨夏の3回戦でコールド負けを喫するも、新チームでは秋の県大会、九州大会と決勝で勝利。「そこに勝ちきって甲子園につなげることをイメージしていました」。初回に1点を先制されたが動じない。スタンドで見守った母・伊織さんが「1年生の時は焦りながらプレーしていましたけど、今は落ち着いています」という安定感で、最速149キロの速球に130キロ台後半の高速スライダーを軸に2回以降は無失点。
センバツでは2回戦で、優勝した横浜に7―8で惜敗。7回で9安打5失点の末吉は力の差を痛感した。まだ2年生。スライダーのレベルアップに着手し、パドレス・松井のようなキレのある球の習得を目指している。最速150キロの速球も高校在学中に155キロにすることが目標。最新機器のラプソードで回転数を計測したところ、平均でプロと同レベルの2200後半から2300台を計測し、2500台を出したこともあった。この日は9回で149キロを記録するなど最後までスピードを維持。「真っすぐを生かしてこその変化球だと思っています」と自信をのぞかせた。
チームはあと3勝で甲子園30勝に到達。エースは「まず甲子園30勝を目標に、横浜高校さんと対戦することがあるならリベンジして優勝につなげたい」。好きな言葉は「全力投球」。