◆第107回全国高校野球選手権南北海道大会 ▽準々決勝 駒大苫小牧2―0苫小牧中央(13日・札幌円山)

 南北海道大会は準々決勝3試合が行われ、4強が出そろった。駒大苫小牧は、昨夏敗れた苫小牧中央に2―0で雪辱。

エース左腕・寺田七将(3年)が9回完封、渡辺羚生捕手(2年)が決勝打を放ち、バッテリーの活躍で2年ぶりの4強入り。準決、決勝はエスコンフィールド北海道で行われる。1回戦3試合が行われた北北海道大会は、昨夏準優勝のクラークが2―1で遠軽を撃破。最速148キロ右腕・辻田丞(3年)が9回1失点で完投し、同大会通算20勝目を挙げた。

 最後の打者を宝刀スライダーで空振り三振に仕留めると、寺田は声を上げて飛び上がった。2点リードの9回、1死二、三塁。最大のピンチを連続三振で切り抜けると、捕手・渡辺羚とタッチを交わした。9回5安打7奪三振の完封劇。「先輩たちからもきょう頼むぞと言ってもらっていたので、敵(かたき)を取ろうと思っていた」。昨夏、地区代表決定戦で苦杯を喫した苫小牧中央に、同じ2―0のスコアでリベンジ。2年ぶり4強を決めた。

 相手エース・渡辺大仁投手(3年)との投げ合い。

今夏は前回まで3登板で22回2/3を投げ39奪三振の“ドクターK”だが、昨夏にもリリーフで抑えられた左腕との投げ合いは、打たせて取るピッチングを展開した。「厳しい接戦になることは分かっていた。テンポよく、パパッと守備を終わらせて攻撃につなげられたらなと」。5回を除き先制した7回まで、いずれも3人で打ち取りリズムをつくった。

 エースの力投に応えたのは、相棒・渡辺羚のバットだった。両軍無得点で迎えた7回、相手の連続失策と犠打で1死二、三塁。「監督からも指示があって狙いを張ってというところで」。狙ったスライダーを仕留め、右中間への適時二塁打。貴重な1点をもぎ取った。守備でもここ1か月、早朝練習の前に捕手の基礎技術を徹底的にたたき込んできた。「ストップも自信を持ってできるようになりましたし、その分、寺田も自信を持って腕を振って変化球投げてくれると思う」。攻守にエースを支えている。

 寺田は、他の投手の実戦経験のために9回途中で降板した前回を含め、事実上の3試合連続完封。連続イニング無失点を27回2/3とした。次はエスコンを舞台に北海との準決勝。「特別変えることはないと思うので、いつも練習でやっていることをただマウンドで表現するだけかなと思ってます」。07年を最後に遠ざかる夏の甲子園。最後までゼロを並べ、聖地への切符をつかむ。

(山口 泰史)

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