◆第107回全国高校野球選手権北北海道大会 ▽1回戦 クラーク2―1遠軽(13日・旭川スタルヒン)
1回戦3試合が行われた北北海道大会は、昨夏準優勝のクラークが2―1で遠軽を撃破。最速148キロ右腕・辻田丞(3年)が9回1失点で完投し、同大会通算20勝目を挙げた。
クラーク・辻田が力でねじ伏せた。9回2死一、二塁。「(伝令を通じて)監督からまっすぐでガンガンいけと言われました」。右打者の内角に投じた直球で詰まらせ、二直で試合終了。右拳を力強く握った。
昨年11月の練習中に右膝半月板を損傷。すぐに手術を受けた。3月後半の遠征から実戦復帰したが、5月の春季大会は調子が上がらず、「まっすぐが打たれる場面が多かった」。空知地区予選で敗退し、全道大会出場を逃した。
大会後は、フォームの改良に着手した。左肩を開かないように意識するとともに、かかとよりだった重心をつま先に修正。6月の地区予選では自己最速を2キロ更新する148キロをマークし、この日も9回に145キロを計測した。
変化球は、より緩急をつけるために直球と30キロ近いスピード差があるカーブを夏に向けて習得した。この日も終盤はカーブを有効的に使い、佐々木啓司監督(69)も「変化球をうまく使いこなしたんじゃないかな」と評価した。
準々決勝は、昨年決勝で敗れた白樺学園と激突する。同戦で先発し2回途中で降板した辻田は「意識する相手。自分の持ち味を生かして倒したい」。昨夏からのレギュラーが多く残る相手に対し、1年間の成長を見せつける絶好の舞台がやってきた。(島山 知房)