◆第107回全国高校野球選手権 静岡大会 ▽2回戦 常葉大菊川7―2静清(13日、掛川球場)

 2回戦残り16試合が行われ、12日に続いてシード校すべてが勝利した。今春センバツに出場した常葉大菊川は静清との初戦に7―2で快勝。

2回に佐藤大介左翼手(2年)の2点三塁打で先制し、プロ注目左腕・内藤優央(まお、3年)を攻略した。加藤学園は一昨年の王者・浜松開誠館に6―5で競り勝った。エース・山田晃太郎(3年)が9回途中で左翼に回るも、再びマウンドに戻り5失点(自責3)12奪三振で“完投”した。

 2季連続甲子園に向け、常葉大菊川が第一関門を突破した。2回1死一、二塁、佐藤大介が甘めにきた外角直球を捉え、中越えにライナー性の打球で先制の2点三塁打を放った。「最近チームの足を引っ張っていた部分もあったので、夏は自分が必ず打ってやると思っていた」。仲間も続いた。静清のMAX145キロ左腕・内藤に6安打を浴びせ、5回途中までに6得点を奪いマウンドから引きずり降ろした。

 石岡諒哉監督(36)によると、日頃の練習では遠くに飛ばすことを意識してきたが、1週間前からは内藤の速球やキレのある変化球に対応するため「コンパクトに低い打球を打つ」ことを徹底してきた。佐藤大介は「いつもだったら、こねてセカンドゴロになっていた」と振り返った。

 個人としての修正にも取り組んでいた。この日の朝に7番での出場を告げられたが「スタメンはないと思っていた」と明かす。

1週間前の練習試合では主力から外れ、その後の1か所打撃の際はグラウンド整備をさせられていた。石岡監督から「打撃時のスタンスが広すぎる」と指摘を受け、幅をバット1本分に狭めるよう調整。2日前の練習以降は詰まった感触を感じなくなった。殊勲打を放った第1打席に入る前には足元にバットを置き、スタンスを確認していた。

 投手としてのリベンジも残っている。公式戦初登板だった今春のセンバツ初戦(対聖光学院、3●4)は、延長11回から登板したが12回サヨナラ負け。春の県大会では準々決勝の桐陽戦(2●6)で先発も6回3失点で敗れた。「自分のせいで負けている。夏はなんとしてもチームを勝たせたい」。次戦は20日に掛川東と対戦。悔しさを糧に、もっともっと強くなる。

(伊藤 明日香)

編集部おすすめ