◆第107回全国高校野球選手権東東京大会 ▽3回戦 帝京12―0新宿=5回コールド=(14日・神宮)

 春夏計3度の甲子園優勝を誇る名門・帝京が今夏の初戦に臨み、12-0の5回コールドで大勝スタートを切った。0-0で迎えた3回には暴投に絡んで先制すると、1死一、三塁で主将の4番・梅景大地遊撃手(3年)が左越え3ランを放ち、打線に火をつけた。

 仕留めた。神宮の曇り空に梅景がアーチをかけた。2ボールからの3球目、高めに浮いたチェンジアップをフルスイングした。打球は左翼席に着弾する。応援席の盛り上がりをBGMに、キャプテンはゆっくりとダイヤモンドを一周した。

 「ある程度、芯で捉えて角度が上がればホームランになる自信があった。打った瞬間、行ったかなと。その前の打席でチャンスが打てなかったので、次は絶対打ってやると思い、打席に入りました」

 大阪・四條畷市出身。奈良の強豪・生駒ボーイズで鍛え、故郷を後にして帝京に進学した。2011年夏以来、甲子園に届かない現状を打破すべく、勝負の夏へ妥協なきチームを作り上げた。

 「ミスした選手に対しては、自分だけじゃなく全員で言い合って。次はミスできない状況を作って、その中で練習するという。

簡単なんですけど、継続するのは難しかったです」

 昨夏の東東京大会決勝では関東第一に敗れた。その好敵手は甲子園で準優勝した。「本当に悔しかったです。あそこに自分たちがいなければいけなかった。甲子園決勝は見ていません。練習していました」。先輩たちからは「お前らの代で必ず甲子園に行けよ」と夢を託された。名門復活への思いは強い。

 好きなタレントに「杉谷拳士さん」と即答した。「面白いし、自分があるところがかっこいいです」。杉谷ら偉大なOBが数々のドラマを演じた夏の聖地へ-。まず1勝。

帝京魂を胸に、勝ち上がる。(加藤 弘士)

 ◆梅景 大地(うめかげ・だいち)2008年3月3日、大阪・四條畷市出身。17歳。小2から四條畷ブラザーズで野球を始める。中学は生駒ボーイズでプレー。中2まで捕手。それ以降はショート。帝京では1年秋からベンチ入り。好きなプロ野球選手はドジャースのムーキー・ベッツ、楽天・宗山塁。好きな食べ物は「お母さんのご飯」。167センチ、75キロ。右投右打。

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