◆第107回全国高校野球選手権東東京大会 ▽3回戦 堀越15―0鷺宮=5回コールド=(14日・神宮)

 春夏通算10度の出場を誇る堀越が14安打15得点と打ち勝ち、4回戦に進出した。

 ヒーローは5番の雨宮悠内野手(3年)だ。

「5番・三塁」でスタメン出場。2回先頭。カウント2ボールからの3球目、内角低めの直球をコンパクトに振り抜き、左翼席に先制アーチをたたき込んだ。

 「普段からいかに次の打者につなぐかを考えて、打席に立っています。感触的には良かったです」

 野口晃生監督(49)は堀越から亜大、社会人野球のローソンを経て、野村克也氏が監督を務めたシダックスでプレー。名将から中伊豆キャンプの夜間ミーティングで「ノムラの考え」をたたき込まれた。「人間的成長なくして技術的進歩なし」といったその教えを、今でも選手たちに伝えている。

 「孫弟子」に当たる雨宮も、「敵は我に在り」といった野村語録を愛する。「私生活でも注意される部分があったので、監督にいつか『スキがなくなったな』と言われるようにしたい」

 雨宮には感謝を伝えたい人がいる。祖母の飯島晴美さん(75)だ。新潟県村上市の自宅から、雨宮が住む江戸川区内へと来てくれて、自宅と八王子市内のグラウンド、片道2時間をクルマで送り迎えしてくれる。

 「おばあちゃんに支えられて、頑張れています。

だから恩返ししたかった」

 最高の笑顔で言った。恩返しの夏は、まだまだ終わらせない。(加藤 弘士)

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