◆第107回全国高校野球選手権西東京大会 ▽3回戦 田無7―2上水(14日・ジャイアンツタウン)

 田無が上水に勝利し、4年ぶりの4回戦進出を決めた。

 田無は初回に1点を先制すると、その後も得点を重ね、7回までに6点をリード。

8回に1点を返され、9回もピンチを背負ったが、逃げ切った。

 「3番・中堅」で出場した滝上晃正(3年)は2回戦の聖徳学園戦では3打数無安打。熊本に単身赴任中も帰京し、観戦していた父・正義(まさよし)さんの前で活躍する姿を見せられなかった。それだけに「今日は絶対に打ってやる」と強い思いを胸に試合に臨んだ。

 13日は自宅で父に素振りを見てもらった。「上体が突っ込んでいる。もっと軸足に体重を乗せて左中間に打つイメージで」と助言をもらったという。

 迎えた14日の試合。初回1死二塁で迎えた第1打席。いきなり左中間を破る適時三塁打を放ち、父の助言に一発回答。第2打席は右翼線への二塁打を放つと、第3打席にも中越え三塁打と固め打ち。スタンドで見守っていた父に3安打を届けると「お父さんのおかげで打てました。

いつも(打撃を)教えてくれてありがとうと伝えたいです」と感謝した。

 昨夏は初戦で敗れ、「都立NO1外野手」を目標に設定し、この1年間練習に励んできた背番号8。次戦は19日に日大三と多摩工科の勝者と戦う。「応援してくれる人に感謝してプレーしたい。都立の意地を見せてやりたい」と意気込み十分。父の言葉を胸に最後の夏を駆け上がる。(高澤 孝介)

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