◆第107回全国高校野球選手権石川大会 ▽2回戦 門前9―2金沢市工=7回コールド=(14日・石川県立)

 シード校の門前が9―2の7回コールドで金沢市工に逆転勝利し、初戦突破を決めた。1回には守備のミスから2点を先制されたが、その後は最速141キロのエース左腕・石田煌峨(3年)が気迫の投球を披露。

力強いストレートを武器に7回まで4安打、9奪三振、2失点に抑えると、打線も13安打で試合をひっくり返した。2回から4回にかけては6者連続三振をマーク。石田は「先制されて焦ったが、みんなが声を掛けてくれて緊張もほぐれた。しっかりとボールが指にかかりました」と手応え。184センチ、90キロの恵まれた体を生かし、相手打線を圧倒した。

 チームの精神的支柱となっているのが、星稜で25度の春夏甲子園出場を果たした山下智茂アドバイザーだ。22年から母校の門前の指導を始め、2月に80歳の誕生日を迎えたが、野球に対する情熱は全く衰えなし。石田は「朝8時集合の時、7時半に学校に着いたら山下さんは既に草むしりをしてくれている。すごく集中している」と恐縮した。山下アドバイザーは「環境整備をしっかりしないと、選手たちがけがをしてしまう。野球、選手、グラウンドが好きなことは誰にも負けません」と力を込める。この日も試合前に「今までたくさん練習してきたから絶対に大丈夫。

自信を持っていきなさい」と選手たちを激励で送り出した。

 初戦は難敵の金沢市工に逆転勝利したが、同じブロックには遊学館や金沢と強豪校が並ぶ。山下アドバイザーは「よく頑張ってくれた。メンタル面では厳しく指導してきたが、野球を楽しんで欲しい」とエール。名将の金言を胸に激戦ブロックを勝ち抜く。(中田 康博)

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