◆米大リーグ ジャイアンツ2―5=延長11回=ドジャース(13日、米カリフォルニア州サンフランシスコ=オラクルパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が13日(日本時間14日)、前半戦最終戦の敵地・ジャイアンツ戦に「1番・DH」でフル出場し、3打数1安打2得点でチームの勝利に貢献した。ド軍移籍2年目は前半戦をともにリーグトップとなる32本塁打、91得点で終えた。

ナ・リーグ西地区首位を独走するチームをけん引し、2年ぶりの投手復帰も果たした前半戦、そしてさらなる爆発に期待がかかる後半戦への鍵を、安藤宏太記者が「見た」。

 最後は右手一本ではじき返した。大谷が技ありの一打を見せた。5回2死。21年サイ・ヤング賞左腕のレイの低めナックルカーブを捉え、一、二塁間を破る右前安打。登板翌日では今季4試合、16打席目にしてようやく出た初安打だった。

 安打はこの1本のみだったが、4回に四球、延長11回でも申告敬遠で出塁し、ともに生還。両リーグトップの91得点が、1番打者として役割を果たしている証拠だ。前日12日に「健康でここまで試合に出続けられているので、それが何より十分かな」と話した通り、欠場したのは父親リスト入りした2試合のみで、95試合に1番で先発してチームを引っ張ってきた。

 圧巻の前半戦だったと言っていい。自己最多54発を放った昨季とほぼ変わらぬ53・4発ペースの32本塁打を放ってリーグトップ。2年連続MVP&本塁打王のマークは一層厳しくなり、4月には第1子の長女が誕生。

さらに6月には2年ぶりに投手復帰と環境は変化しても、変わらぬ活躍を見せている。

 後半戦でのさらなる爆発へ、体調面の管理が鍵になるはずだ。前日12日には復帰後5登板目で最長で最多の3回36球を投げ、後半戦には先発投手として本格復帰することが見込まれる。登板翌日は、この日初安打を放ったが、15打数1安打。まだ二刀流でのリズムを完全に取り戻したようには見えない。盗塁は投手調整が本格化した6月以降は「1」だけ。体力面での負担を軽減する方法も模索しているようにも映る。そこの調整がうまくいけば、そのまま“伸びしろ”になる。

 投手としてもMLBの公式戦で自己最速となる101・7マイル(約163・7キロ)をマークするなど、進化を見せている。8年ぶりの7連敗があったが、前半戦最終戦も延長11回までもつれた接戦を制し、2連勝で締めくくった。故障者が続出する厳しい中での戦いだったが、貯金19で地区2位のパドレスとは5・5ゲーム差。ロバーツ監督は「やらなければいけないことはたくさんある。

投手陣、走塁面、守備面、打線ももっと調子を上げてほしい。もっとできるはずだ」とさらなる奮起を求めた。

 試合後は山本らとともに球宴へ向けて飛行機に乗る様子が球団インスタグラムで紹介された。二刀流完全復活、球団史上初の2連覇への道はまだ半ばだが、明るいゴールも少しずつ見えてきている。(安藤 宏太)

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