巨人・西舘勇陽投手(23)が14日、背番号17の継承者として伝説の地で勝利することを誓った。3勝目を懸けて先発する15日ヤクルト戦(静岡)の舞台は、巨人の初代エース・沢村栄治氏ゆかりの草薙球場。

球団で最初に17番をつけたのが沢村氏で、入団時からそれを知っている右腕は「賞の名前にもなっていて、伝説のすごい投手なので。何としてでも目の前の1勝を」と目をギラつかせた。

 1934年の日米野球で沢村氏がベーブ・ルースを三振に仕留めたのが草薙球場。日本野球史で語り継がれるマウンドに人生で初めて上がる。「沢村栄治賞」の由来にもなったレジェンドは「漠然として想像が(できない)…」と雲の上の存在だが、ドラフト1位で指名された23年秋には「自分としてはすごいうれしい番号」と17の提示を受けて大感激していた。

 1日阪神戦(甲子園)から3戦連続カード初戦で先発する。直近2試合は先制点を与え、白星を手にできていない。三度目の正直へ「先制点をずっと与えてしまっている。そこが一番」とテーマを掲げた。同じ地方球場で先発した8日中日戦(山形)は甘く入った球を2被弾して5回2失点で降板。リベンジを誓う。

 慣れない静岡のマウンド。

当日は降雨も予想されるが「気にしない」と語る。昨年11月から約7週間参加したプエルトリコWLでは現地が雨期。登板前日までスパイクを履いての練習ができず、駐車場でランニングシューズでキャッチボールをしていた。「細かいことは気にしなくていいと学べた」。2勝2敗からの巻き返しへ、この日はG球場で最終調整。「チームも今、五分を行ったり来たり。初回から飛ばして、頑張って勝てるように投げたい」と背番号17。不滅の大投手に劣らぬ、真っ向勝負を思い描いた。(堀内 啓太)

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