◆第107回全国高校野球選手権山梨大会▽2回戦 山梨学院11―1甲府東=5回コールド=(14日・山日YBS)

 衝撃の一打だった。山梨学院の菰田陽生(こもだ・はるき=2年)が放ったライナーに、球場がどよめいた。

「7番・一塁」で先発。2点リードで迎えた2回、2点を加えなお2死一、二塁。甘く入ったスライダーを捉え、左翼フェンス直撃の適時二塁打。フェンス到達まで約1秒という痛烈な当たりだった。「うまく力が抜けた。初戦で1本出たのは良かった」。2打数1安打1打点の活躍で3回戦進出に貢献した。

 打っては高校通算25発、投げても今春センバツの2回戦・西日本短大付戦で152キロをマークするなど、無限大の可能性を秘める二刀流。194センチの雄大な体格は春よりひと回り大きくなり、97キロだった体重は100キロに。「夏に向けて鍛えてきた」。筋トレの効果だと胸を張った。ベンチプレスは「これまでより10から15キロくらい上がった」という。

視察していたDeNA・永池恭男アマスカウトは「スケールの大きい選手。楽しみな選手」とにこやかな表情で評した。

 目標は「大谷翔平選手。少しでも近づけられるように」と力を込めた菰田。春夏連続となる甲子園出場については「絶対に行くという目標の中で、個々のレベルやチームの一体感も上がってきた」と自信をみせた。夏は自身初となる大舞台に向けて、2年生の怪物が確かな一歩を踏み出した。(綾部 健真)

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