◆第107回全国高校野球選手権神奈川大会 ▽3回戦 横浜7x-0川崎北=7回コールド=(15日・平塚)
今春センバツ王者の横浜が川崎北に7回コールドで勝利し、4回戦に進出した。主将で3番の阿部葉太中堅手(3年)が先制二塁打を含む3打数3安打3打点の活躍も、試合後は笑顔なし。
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2回を終えて0-0。重苦しい空気を阿部葉のバットが一掃した。3回2死一塁。初球だ。外角高めのストレートを逆方向に運んだ。先制点をたたき出す二塁打。二塁ベース上では、表情を引き締める背番号8の姿があった。
「流れを変える1本を打ちたかった。何とかして1本のタイムリーを出そうと思っていました」
5回1死一塁でも中前安打を放つと、6回2死二、三塁ではまたも逆方向のレフトに二塁打を放ち、2者が生還。3打数3安打3打点の好成績にも「もっと熱くできるんじゃないかな、と。また次があるので、しっかりと準備していきたい」と高い向上心がうかがえた。
走攻守3拍子に優れた高校球界屈指の強打者だが、進路は進学に絞り、今秋はプロ志望届を提出しない方針。「さらにレベルアップしていきたいなと思います」と地に足をつけ、野球道を突き進む。まずは神奈川の頂点を目指し、一戦必勝で勝ち上がる。(加藤 弘士)
◆阿部 葉太(あべ・ようた)2007年8月6日、愛知・田原市生まれ。17歳。小2から田原東部スポーツ少年団で軟式野球を始め、中1からは愛知豊橋ボーイズでプレー。中2の秋季中日本大会優勝。中3の夏季全国大会8強。横浜では1年夏に背番号20でベンチ入り。秋から背番号8。高2の5月から主将。50メートル走5秒9。